ユング「心理学と宗教」を読む(第1回)
ユング「心理学と宗教」を読む(第1回)
< zoom配信 >
去る7月1日のスタディをもちまして、2020年通期企画「ユング『分析心理学セミナー』を読む」全14回が終了いたしました。コロナ感染症の世界的流行により、会場開催の急遽中断からオンライン開催での再開と、なにかと不手際も多い開催となりましたが、なんとか一年半かけてまる一冊を読み終えることができました。これもひとえに、参加された皆様のお力添えによるものです。改めて皆様に厚く感謝申し上げます。
※ これまでのスタディ企画の内容については、こちらで一覧できます。
https://jung2012.jimdofree.com/スタディ/
9月2日からは、2021年度の新企画として、「ユング『心理学と宗教』を読む」を始めます。「心理学と宗教」は、第二次世界大戦勃発の二年前となる1937年、アメリカ・イェール大学での「テリー講義」としてユングが行なった、三部構成の英語講演記録を元にしたテキストです。ユング自身が講演録に大幅に手を入れ、英語版が翌年の1938年、ドイツ語版が戦時下となる1940年に出版されました。
先に読み終えた『分析心理学セミナー』は1925年のセミナー記録ですが、ユングはここで、自身の学生時代から話を始め、自分の心理学がいかに成立してきたかを語っていました。ユング心理学の成立と完成を振り返る内容で、いわばユング前半期の総まとめとも言えます。
一方で、1930年頃を境にして、ユングの関心は、彼が「自然発生的象徴」と呼ぶものの研究へと移ります。これは要するに、人間の歴史文化の中で自然発生的に現れてきたシンボルに関する研究で、具体的にはキリスト教、錬金術、東洋思想から晩年のUFOまで、様々な歴史的・同時代的なシンボルを読み解く研究になります。
「心理学と宗教」においては、宗教の本質についての議論から始まり、キリスト教のシンボリズム、マンダラや錬金術などにも言及がなされていきます。ユングの後期研究についての概観かつ最適な入門編として読むことができるテキストです。英語版、ドイツ語版も適宜参照しながら、じっくりと読み進めていければと思います。
現状での新型コロナウイルス感染症の流行状況を鑑みて、引き続き会場開催は行わず、zoomオンラインのみでの開催となります。開始時間は、会場開催の場合よりも一時間遅い20時からとなりますので、ご注意ください。
案内役:白田信重、岩田明子(ユング心理学研究会)
司会進行:海野裕美子(同) 資料協力:山口正男
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第1回:9月2日(木)20:00 〜 22:00 (開場19:45)
■ テキスト: C.G.ユング「心理学と宗教」
村田詔司訳『心理学と宗教』人文書院、1989.4 所収
・ 適宜、英語原文、ドイツ語訳文も参照します。
・ テキストを読んでいない方でも、資料を見ながらの進行なので参加可能です。
・ シリーズ途中からでの参加でも全く問題ありません。お気軽にご参加ください。
■ 会場:オンライン開催(zoomミーティングルーム形式)
■ 会費:1,000円
■ 参加申し込みページ https://jungstudy20210902.peatix.com
■ 主催:ユング心理学研究会 http://jung2012.jimdo.com/
■ 問い合わせ:研究会事務局 jungtokyo_info@yahoo.co.jp