上・帝大セツルメント労働学校生徒募集ポスター
1928年度労働争議統計―1928年の労働争議(読書メモ)
参照・日本労働年鑑第10集/1929年版(大原社研編)
(労働争議の大勢)
「1928年度に入って不景気の度を増した経済界の状況は、労働運動界をますます沈滞に導き、労働争議の件数を著しく減少せしめた。・・・官憲の資本主側との抱合、その呵責するところなき弾圧的態度の興って力あることも勿論である。」(労働年鑑第10集第1編 労働争議)
(1928年の労働争議件数) 393件(労働年鑑第10集では410件) スト参加者は43,337人。うち工場労働者の争議 294件(染織工業85件、金属工業74件・・・)。
(労働争議の場所) 東京73件、大阪73件、兵庫39件、静岡18件、神奈川17件、京都17件、広島14件・・・。
(争議の原因)
資本家側の攻撃(解雇、組合攻撃、賃下げ、賃金不払い、工場閉鎖、待遇改悪など) 224件
内訳
解雇攻撃 34件
組合攻撃 35件
賃下攻撃 59件
工場閉鎖 7件
待遇改悪 25件
その他
労働者側からの闘い 186件
内訳
賃上げ要求 63件
待遇改善要求 69件
人権問題など感情的 25件
その他
(争議の形)
ストライキなど 263件
サボタージュ闘争など 56件
示威行動など 90件
紛議 90件
(争議の結果)
労働者側有利 19.3%
会社側有利 20.0%
妥協 40.7%
結果不明 20.0%
(1928年度の重要なる労働争議)
野田醤油争議(1927年9月16日~1928年4月20日争議団1,500人他家族数千)
内閣印刷局争議(4月6日~5月25日1,300人ストライキ)
海上社外船員大争議(6月6日~6月8日1万8千人、340隻ストライキ)
他
以上