戸根明彦ブログ

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第3章 成長(4)

2012-12-10 22:20:07 | 日記
この頃クラスである事件があった。
小学校3年生の時の給食のあと、食後にそれぞれ容器などの片付けをした筈が、
誰かが片付けしていなかった事が判明し、
先生は誰が片付けなかったのかと問いただされたのだが、
誰ひとり手を上げる者が無かったために、
先生はクラス全員で話し合うよう求められた。

その時の学級委員長をしていた友人は私が今でも信頼できる友人の一人なのだが、
彼は真面目で正義感が強すぎて早速犯人探しを始めたのだが、
一度つかれた嘘はそう易易とは明らかとなるはずもなく、
とうとう刑事ドラマさながらに現場検証や、
それぞれが証人を立てて裏付け捜査まで始まってしまった。

クラスの皆は曖昧な記憶のまま犯人でないことの照明を画策し、
結果的に証人を立てられなかった者を犯人と断定してしまった。

犯人役に仕立てられた友人は無実の罪を着せられたのかもしれない。
当然、本人も認めてはいない。

こんなことでは解決もしないし、スッキリもしないと思った私は、
クラス会後に、学級委員長をしていた友人に、
最後にもう一度みんなに正直に手を挙げてもらえるように話した後、
誰も手を挙げなければ、その時はクラスの全体責任として、
全員で先生のところにお詫びに行けばどうかと提言していた。

それでも彼は強い正義感から真実は一つとばかりに、
最終的にその犯人役の友人を伴って先生のところに行ってしまった。

その後先生は、教室に戻りクラスの導き出した答えは最善ではない事を諭し、
私が学級委員長の友人に提言したような事をなぜ考えられないのかと指導されていた。

私は友人のプライドを思い、その後それについては何も言わなかった。
私はその時自らの考え方や人心掌握に少し自信を持った気がする。

その後の小学校生活の中での私の確固たる態度や、
精神力が表現された場面に居合わせたこの友人は、
私に一目置いていたことを後々別の友人から聞いたことがあった。

残念ながら私はその誇るべき精神性を十分に発揮できぬまま今まで生きている。

・・・つづく

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