愛詩tel by shig

プロカメラマン、詩人、小説家
shig による
写真、詩、小説、エッセイ、料理、政治、経済etc..

年賀状

2012年10月02日 10時13分16秒 | 

僕がつきあってた女性がいる
とても現実的な考え方をする人だった
とても親密な仲だと思ってたのに 昨春お見合いをしてすぐさま結婚をしてしまった
相手は大手商社マンで 家柄も一流だった
僕と別れるとき彼女は言ったものだ
やはり 結婚するなら三高よね
背が高くて 高収入 高学歴
あなたはとても優しくていい人だけど 私を幸せに出来ないんじゃないかな

それからは音沙汰無し
ところが年賀状が送られてきた

明けましておめでとうございます
私こと この度離婚いたしました
新しい連絡先を記しておきますので
どうぞお電話なりと頂ければ有り難いと存じます

僕は電話してみた

離婚したんだって?早いじゃない

うん

三高が理想だったんだろ?もったいない

うん

彼女の声がだんだん小さくなっていくのが分かった

一回会おうか?

そうしてくれる?嬉しい

こうして僕たちは今 ふたりでよく来た 喫茶店に座ってる

どうして別れたんだい

あの人仕事仕事で ちっとも私のこと 構ってくれなかった
で 飛び出して来ちゃった
後を追ってもくれなかった
ただ 親戚の都合上 円満に別れたことにしてくれた

これからどうするの

分からない どうしていいか分からないの
人生観 結婚観が音を立ててくずれちゃった

来れば?

え?

僕のところに来ればいい
そして人生観 結婚観を立て直せばいい
その間 僕のところにいていいよ

あなたって あなたって・・

彼女の目はみるみる涙でいっぱいになった

そして小さく言った

ごめんなさい ありがとう

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