内海聡Xより転載
2025年1月26日
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とにかく根本療法の考え方を知らない人が多すぎます。
私は医師なので、「そもそも病気とは何か?」を考えることからはじめたいと思います。
一般的な病気の定義とは、「生体がその形態や生理、精神機能に障害を起こし、苦痛や不快感を伴い、健康な日常生活を営めない状態。医療の対象。疾病。やまい」、あるいは「悪い癖や行状」ということになるようです。
一方、私が現在まで行っている医学では病名がなければ病気もありません。
また、困って来院する人のことも「病気を患っている」ではなく「問題がある」という言い方をしていることが多いのです。
病名をつけて「こういう病気ですよ」という認識を持つと、どうにかしてその病気を消そうという発想になるのは自然の流れです。
でも、それでは根本的な解決にはなっていません。
今の状態が改善して安定することやとりあえず今の苦しさがなくなることは、「その場をしのぐ」という対症療法ではあっても、「治癒」ではないのです。
ときどき私のクリニックにも問題を抱えている子どもとその親が来院しますが、いわゆる「ダメ親」ほど、「ウチの子は〇〇病なんです」と口にする傾向があります。
我が子に病名をあてがい、とにかくカテゴライズするしか頭にない様子がうかがえます。
このように対症療法とは目先だけ、カテゴライズだけ、楽になりたいだけ、依存したいだけ、という考え方ですが、無駄なわけではなく、緊急時や命の危険があるときにこそ効果を発揮します。
ちなみに対症療法の反対は根本療法という考え方になりますが、これは名前通り、問題の原因を根っこから解消する以外道はないという考え方です。
これは医学だけではなく、じつは政治問題や社会問題にも通じることではないでしょうか。
目先の苦痛から逃れようとするだけ、何か不都合があったらまた別の方法を試せばいいだけ、という対症療法は、問題を根幹からよくすることにはならないと私は考えます。
もしも地球を治療しようとするならば、人間こそが地球のがん細胞であることを自覚し、がん細胞ではなくなるまで自浄しなくては、地球は復活しないのです。
ーーー転載終了ーーー