オーストラリアに住んでみれば

南国暮らしに憧れて、住み始めたオーストラリア。
住んで、暮らして、初めて分かる、色々な体験談をお披露目します。

オーストラリア 認知症事情

2016-10-22 16:36:24 | 日記
オーストラリアでも、やはり、認知症は真剣な問題なのですが、



実は、オーストラリアは認知症ケアの先進国、なのです。



私も、冷蔵庫を開けて、背伸びし、伸ばした手をふと止め、”何を取るんだったけぇ?”


なんて思う度に、若年認知症じゃないかしらと思ったせいかどうか、


実際、宅には頻繫に、熟年ホーム?看護付き住宅の入居案内が


ほかの折り込み広告と一緒に頻繁に来るのです。


それも、”昼ご飯ごちそうするから、見学に来てね!と。


いくらぼけては来ても、そこはうら若い乙女と自負してる私。


真剣には考えたくもないけれど、値段も、普通のアパートと変わらないので


ちょっと、昼ご飯がてら見に行ってみようかな?なんて思ったりもするのです...


ああぁ、自分で認めちゃった!


以前一緒のアパートに住んでいた、陽気な認知症の、ジョンさん。


奥様のサリーさんが、実によくお世話してらっしゃいます。


毎朝、ご夫婦でプールにいらっしゃるのですが、まるで、サリーさんがジョンさんのトレーナー?


水泳、後3ラップしなさいとか、色々指図してらっしゃいますが、時々、いう事を聞かず、


勝手にシャワーに行ったり、ちょっと目を離したすきに、


勝手に部屋にかえったり、果てはどこかに行ったりするので、ひと時も目が離せず、


”ジョンを見なかった?”血相変えて、探し回られることもしばしばあります。


それでも一緒にクルーズに行ったり、買い物に行ったりと、中睦ましく暮らしてらっしゃるのですが、


ジョンさんも、認知症とはいえ、まだまだお達者?


サリーさんがいないと、君は美しいとか、他にもいろいろと、かまいに来てくれます。


 “サリーさんがいらっしゃらない時限定” 、というのが、なんとなく、故意的な気がするのですが...

認知症ですよね?


実際、認知症というのは、いろいろな種類があって、


脳の萎縮する場所によって症状も違いますが、


一番多いのが、「アルツハイマー型」「脳血管性」「レビー小体型」で、認知症の90%以上。



前頭葉が委縮すると、若年認知症や、ピック病になります。


この、ピック病というのが曲者で、物忘れは余りしないし、見たところ普通なので、


認知症だと気付かない事が多々あるのだそうです。


しかし、前頭葉が委縮すると、感情がコントロールできなくなったり、とっさの判断ができなくるので、


怒りっぽくなったり、自制が利かなくなって、お店のものを勝手に持ってきたり、果ては、


女性のお尻を触ったり、自動車のアクセルとブレーキを間違えたりと、とんでもないことになるので、


何だか最近、うちの親、人格が変わったな、ということがあれば、


早めにお医者様にお連れしてくださいね!


お薬は、早期であればあるほど、良く効くそうです。




ジョンさんは、週に数回、養護施設にお出かけされます。


朝、バスが迎えに来ると、サリーさんに見送られて一日施設で過ごし、夕方まで帰ってらっしゃいません。


サリーさん、あんなに一生懸命尽くしてくださってるのだから、わき見しないでね。