「歩き出す」
何もかもが
終わって
ゆっくり立ち上がり
一歩、二歩と
ゆくうちに
私の心は
また、
どこかへと
旅立ちたがる。
遠い空が
紅くなったり
青くなったり
黒くなったりするのを
歩きながら
見つめて
また、
青空になるのを
待ち望む。
風が吹いたり
雨が降ったりして
行く手を拒むが
一歩、二歩と
進むうち
私の心は
定まってゆく。
ここを去り、
もう帰ってこないよ、と
つぶやいて
そっと
歩き出す。
何時のことだったか
忘れてしまったけど
あそこの角で
風に乗せられたのは
うんと
小さいころだったような。
あの柿木は
とてもおいしいから
虫もたくさん寄ってくる。
爺様が
藁を束ねて
火をつけて
毛虫たちを
追い払う。
その紅い火が
やけに目に染みたな。
ここから
立ち去るのは
もう
なにもためらわない。
一歩、二歩と
歩き出す。
こころはもう
決まっていて
もう、
ここには
還ってこないんだな。
さあて
私の心は
これからどこへ
行こうとしてるのか、
自分でも
ちょっとたのしみなのさ。
何もかもが
終わって
ゆっくり立ち上がり
一歩、二歩と
ゆくうちに
私の心は
また、
どこかへと
旅立ちたがる。
遠い空が
紅くなったり
青くなったり
黒くなったりするのを
歩きながら
見つめて
また、
青空になるのを
待ち望む。
風が吹いたり
雨が降ったりして
行く手を拒むが
一歩、二歩と
進むうち
私の心は
定まってゆく。
ここを去り、
もう帰ってこないよ、と
つぶやいて
そっと
歩き出す。
何時のことだったか
忘れてしまったけど
あそこの角で
風に乗せられたのは
うんと
小さいころだったような。
あの柿木は
とてもおいしいから
虫もたくさん寄ってくる。
爺様が
藁を束ねて
火をつけて
毛虫たちを
追い払う。
その紅い火が
やけに目に染みたな。
ここから
立ち去るのは
もう
なにもためらわない。
一歩、二歩と
歩き出す。
こころはもう
決まっていて
もう、
ここには
還ってこないんだな。
さあて
私の心は
これからどこへ
行こうとしてるのか、
自分でも
ちょっとたのしみなのさ。