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ライプニッツの「モナド」

2024-12-04 19:40:00 | 西洋哲学

【モナド】

 ライプニッツは、この宇宙を説明するため、原子論を批判して「モナド」という概念を使いました。モナド「単子」とは、それ以上分割出来ない不可分な「形而上学的」な点だとされています。形而上とは、具体的な形のない非物質的なもののことです。モナドは、単一な個体的実体とされるので、部分というものがありません。実体とは、それが存在するために他のものを必要としないもののことです。ライプニッツは、モナドこそが真の存在だとしました。モナドは、点なので、延長「拡がり」というものがないとされています。

 ライプニッツは、この宇宙は、モナドの総和だとしました。モナドは、一つ一つ質的に異なります。そのため、世界にまったく同じものは存在しません。モナド同士は、相互に「作用」することがないとされています。ライプニッツは、それをモナドは「窓を持たない」と表現しました。窓とは、そこから物が出たり入ったりするという意味です。


【モナドの二つの属性】

 

 モナドには①「欲求」と②「表象」という二つの属性があるとされています。欲求とは、ある状態から別の状態へ変化しようとすることです。モナドは、ただ自分特有の「性質」「本質」「法則」に従って、自発的に働くとされています。ライプニッツは、モナド間相互の働きは、予定調和的だとしました。予定調和とは、神があらかじめ定めていた計画によって、世界の調和が実現するという意味です。ライプニッツは、この現実世界を神が最善の世界として選択したものだとしました。それを世界最善説と言います。

 また、ライプニッツは、モナドが出来事を表象するものだとしました。表象とは、外界にある対象を心の中で表現したイメージのことです。ライプニッツは、この世界は、あらゆるモナド「諸表象」の不断の連続だとしました。


【モナドの鏡】

 ライプニッツは、モナドを一つ一つ相互に独立した小宇宙だとしました。各モナドは、現実世界全体「すべてのモナド」の状態を反映しているとされています。ライプニッツは、それを「モナドの鏡」と表現しました。モナドは、止まることがない一つの内的な力の統一体だとされています。それは、外的な力によって「規定」や「破壊」されることがありません。

 ライプニッツは、この宇宙は、生命的な働きに満ちており、静止はどこにもないとしました。新しい命の誕生は、生命の展開で、死は、生命の収縮にすぎないと考えたからです。展開とは、生命がこの世に現勢化することで、収縮は、潜勢化することだとされています。


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