【商品】
商品とは、私的な交換を目的とした「財」や「サービス」のことです。ただし、商品の価値は、品物それ自体には、あらかじめ備わってはいません。交換関係の中で、はじめて商品というものが成立しています。それは、商品が社会的なものだからです。
商品と似たものに「富」と言うものがあります。マルクスは、商品と富は別物だとしました。富も、社会的な公共財です。例えば、森や水などの「自然」や、知識や技術などの「文化」も含まれます。社会の富は、資本主義社会の中では、商品としてあらわれました。ただし、すべての富が商品になるわけではありません。富には、お金で測れないようなものもあるからです。
【資本主義】
資本主義社会は、商品のかたまりで出来ています。それは、商品経済を基盤とした、無限に膨張するシステムです。その中で、商品世界は、ますます広がります。市場でシェアを伸ばすことが出来るのは、競争力のある安い商品です。資本家は、商品を安くするために労働者そのものを安くしようとしました。商品とは、人間の労働によって作られた生産物「財やサービス」のことです。その価値は、その生産物を作るのに費やされた「労働の量」で決まります。労働の量とは、労働時間のことです。
【使用価値と交換価値】
商品には「使用価値」と「交換価値」という二つの要素があります。使用価値とは、人の欲求を満たしたり、使って役に立つ有用性のことです。その有用性を「効用」と言います。使用価値とは、人の意味世界の中で、ある物が必要とされる度合いのことです。それは、主観的なものなので、他と比べることが出来きません。使用価値に対して、交換価値は、客観的に表すことが出来ます。交換価値とは、ある商品と他の商品とが交換される使用価値の「量的比率」のことです。それは、市場である物が必要とされる「度合」や「量」で測られます。
【商品の価値】
商品の価値は、客観的に「数」で表すことが出来ます。ただし、それを単独で表すことは出来きません。価値は、他の物との「相関関係」で決まるからです。商品は、一定の比率でお互いに交換することが出来ます。価値とは、市場で他の商品と交換することが出来るかどうかです。その価値は、労力の「度合」で判断されます。なぜなら、手間暇をかけているものほど価値が上がるからです。商品世界の中では、交換価値は使用価値より優位に立ちます。交換というものが、貨幣を媒介して行われるようになると、交換価値は価格として表示されるようになりました。
【物神崇拝】
貨幣とは、商品が姿を変えたものです。それは、商品関係の最高形態として、特殊な役割をもっていました。貨幣は、いかなる商品とも交換が可能です。市場において、貨幣は、他のすべての商品の価値を価格として表現することが出来ます。価格とは、交換価値を貨幣という一定量で表現したものです。資本主義社会では、商品と貨幣を万能の力を持つものとして崇拝しました。それを物神崇拝「フェティシズム」と言います。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます