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そんな最中の夏、近江の国に私の娘だという者おり、さっそく引き取りました。
合ってみると小柄でかわいらしく愛嬌がある。
確かに私と似たところがあり、それほど悪くはない。まーーこの子ならよかろうと感じたが、口を開いたとたん、がっかりしてしまった。方言丸出しの上に、早口で教養もまるっきり感じない。
私は苦労させた償いに、女房として身近においておこうかと思っていたが、いかにせんどうにもならない。
救われるのは、己の分をわきまえているということで「水汲みでも、おまるの始末でも何でも致しますから、どうか置いてください」と、いわれたときにはかわいそおになってしまった。娘の弘徽殿の女御にお願いし、物笑いの種にならない程度に、躾けていかなくてはと思ったのです。
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