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良秀-4
良秀は「汚らしく見えるものや、偽善・偽悪の心の中に、美の極致がある。たとえば、鷲や鷹を高貴な鳥として多くの絵師は描くが、小動物を襲い、屍を食らう。生きるということの本質を描きださなければ、ただのお座敷絵だ」
などと、場所もわきまえす゛憎きことをぬけぬけと申すのでございました。
俺のことを地獄絵の名人だと称してくれるが、俺は地獄を描いているのではなく、この世の人間世界を描いているだけだ。
この世が地獄なのか極楽なのかわからん。
ただ、この世のありようを見た目でなく、内側からえぐり、描き出しているのだ。
長者であろうが下賎であろうが、死ねば腐り悪臭を放つ。やがて白骨となり、土くれとなりて、風となってしまうのだ。それが、あらゆる喜怒哀楽にもだえる、人間の宿命であ。逃れることは出来ない世界。いってみれば、人間社会の究極の美しき姿ともいえるだ。
と。まーわけのわからない事を、お悟りを開かれた大僧侶のごとく、平然と言ってのけるのでございました。
打ちつてられた屍の悪臭をものとせず、鼻をつけんばかりに写し取ったり、罪人の処刑には、血潮を浴びるのもいとはず描いているという、ぶりでございまし
いやしき身分の者はおろか、罪人、乞食、はたまた打ち捨てられた死人を、高貴なかたがたの中に描き出すのでございました
良秀は「汚らしく見えるものや、偽善・偽悪の心の中に、美の極致がある。たとえば、鷲や鷹を高貴な鳥として多くの絵師は描くが、小動物を襲い、屍を食らう。生きるということの本質を描きださなければ、ただのお座敷絵だ」
などと、場所もわきまえす゛憎きことをぬけぬけと申すのでございました。
俺のことを地獄絵の名人だと称してくれるが、俺は地獄を描いているのではなく、この世の人間世界を描いているだけだ。
この世が地獄なのか極楽なのかわからん。
ただ、この世のありようを見た目でなく、内側からえぐり、描き出しているのだ。
長者であろうが下賎であろうが、死ねば腐り悪臭を放つ。やがて白骨となり、土くれとなりて、風となってしまうのだ。それが、あらゆる喜怒哀楽にもだえる、人間の宿命であ。逃れることは出来ない世界。いってみれば、人間社会の究極の美しき姿ともいえるだ。
と。まーわけのわからない事を、お悟りを開かれた大僧侶のごとく、平然と言ってのけるのでございました。
打ちつてられた屍の悪臭をものとせず、鼻をつけんばかりに写し取ったり、罪人の処刑には、血潮を浴びるのもいとはず描いているという、ぶりでございまし
いやしき身分の者はおろか、罪人、乞食、はたまた打ち捨てられた死人を、高貴なかたがたの中に描き出すのでございました
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