すっかり春になりました。今日、お茶のお稽古に向かう途中の田んぼは、もうすっかり田植えが終わっていました。
お茶室の床の間には、『関』 かん と言う文字の掛け軸がかかっていました。直ぐに、今日は大切な節目の日なんだなと感じました。
この掛け軸は、関門や岐路それを乗り越えることで 新しい道が開けると、ひとつひとつを乗り越えて行くことの大切さを教えているのだそうです。
釜も釣釜から透木釜(すきぎがま)になっていました。
この釜は側面に羽根がついているのが特徴で、五徳を使わずに風炉の縁に掛けられています。透木とは敷木から転化した言葉で、朴(ほお)、桐、桜、梅などの木から作られた拍子木の形の木片のことで、これを、炉壇(ろだん)の左右に置き、釜の羽を乗せることから、透木釜と呼ばれるようになったと言われています
一番寒かった二月は、客座と火はとても近い距離に配慮されていました。
先週の釣釜は、細い釜を吊るされていましたので、火の温かみが見えていました。
すっかり暖かくなってきた今日は、透木釜で客座からは炉中の火が見えなくなりました。
エアコンなど暖房器具が整っている今は考えられませんが、移りかわるこの季節の客座と火の絶妙な距離感はおもてなしの心の本髄だと、また人の世のベストな距離感も同じだと毎年この時期になると思います。
稲はお盆前には、超早場米として市場に出荷されます。私も今日の感動を大切に、何か役に立ちたい。(*’▽’)