ラサを出発してこの日はひたすらシガッツェ目指して走り続けた。ヤルツァンポ(チベット自治区を東西に流れる大き
な河)を右に見て快適に走れた。出発してまもなくヤク(チベットにいる牛の仲間)の皮で作ったコア舟で濁流を渡っ
ているチベット人を見かけた。流れが速くて渡るのが大変そうだ。近くには立派な渡し船もあるのに伝統的なコア船
を使うチベット人が多いらしい。
【左の写真】ダッツーカという町にあった渡し船 【右の写真】伝統的なコア船を操るチベット人
走行中に多くのチベット人を見かけたが、彼らの笑顔が素晴らしいと思う。日本に比べると生活レベルはかな
り低いが、毎日をしっかりと生きているエネルギーをその笑顔から感じる。
【左の写真】ミルク缶を背負いロバを追うチベット人。 【右の写真】ロバの群を移動させている子供
【左の写真】子供を抱きかかえるチベット人女性。笑顔がいい 【右の写真】子供は洋の東西を問わず人なつっこい
道の両側に広がる畑には麦と菜の花が栽培されていた。黄色く見えるのは菜の花。道は舗装されているものの、
片側が河に落ち込みちょっとしたスリルを感じた。しかしチベット人の運転手はどんな道であろうと平気でとばして
いく。
【左の写真】菜の花畑の中を車はシガッツェへ 【右の写真】道はまだ舗装されているだけましか
この日何度か峠を越えた。チベット人は峠を越える際に道中安全を願ってタルチョを結びつける習慣がある。この
タルチョとは経文が印刷された祈祷旗のことだ。風にはためくごとに、風が仏法を世界中に広めると言わている。
5つの色は物質の五大(五元素)を表し、また各色の旗にはそれぞれ異なる像が印刷されている。
黄(地):ルンタ(風の馬)、 緑(水):緑ターラー菩薩、 赤(火):グル・リンポチェ(パドマサンバヴァ)、 白(風):観音
菩薩、青(空):薬師如来を表しているとのことだ。1枚の大きさは約20cm×約21cmのほぼ正方形である。
【左の写真】峠のタルチョ 【右の写真】当隊の無線機はICOM社から提供された
タルチョのセット
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます