ハマナスの花が咲き
初夏のさわやかな風が
頬を撫でていく
そんな何気のない
土曜日の夜
待つ人はついに訪れずに
あなたは
朱き血を
洗面器一杯吐き
くたびれた
青い顔をして
最後にため息をしたままで
遠くに
行ってしまったのだ
無情な重苦しさの中
祭壇周囲の空気を澱ませて
愛娘たちとの
最後の逢瀬も
果たさぬまま
冷たき骸となって
横たわるあなた
娘たちが
ようやく訪ね来て
涙している
老いた祖母は
繰り返し
何故もう少し早く
来てやれなかったのかと
落涙している
三人の娘たち
会えなくても
母は母なのだ
君たちの
行く末を案じ
苦痛の身体を
いじめながら
幸せに暮らすのだよと
願いのこもった
肩身の品を
3つに整理して
旅立っていったあなた
残された子らは
それをどう思うのだろうか
享年六十一年
十三年もの長き日々
癌との闘いと
日々の暮らしの糧を
生み出すための労働を
精魂使い果たして
旅立っていったあなた
よく頑張ったとしか
かける言葉もなく
遺族は落胆の色を隠せない
どうにもならない
その具体的な現実を
突きつけられている
ご冥福を祈りつつ
合掌
初夏のさわやかな風が
頬を撫でていく
そんな何気のない
土曜日の夜
待つ人はついに訪れずに
あなたは
朱き血を
洗面器一杯吐き
くたびれた
青い顔をして
最後にため息をしたままで
遠くに
行ってしまったのだ
無情な重苦しさの中
祭壇周囲の空気を澱ませて
愛娘たちとの
最後の逢瀬も
果たさぬまま
冷たき骸となって
横たわるあなた
娘たちが
ようやく訪ね来て
涙している
老いた祖母は
繰り返し
何故もう少し早く
来てやれなかったのかと
落涙している
三人の娘たち
会えなくても
母は母なのだ
君たちの
行く末を案じ
苦痛の身体を
いじめながら
幸せに暮らすのだよと
願いのこもった
肩身の品を
3つに整理して
旅立っていったあなた
残された子らは
それをどう思うのだろうか
享年六十一年
十三年もの長き日々
癌との闘いと
日々の暮らしの糧を
生み出すための労働を
精魂使い果たして
旅立っていったあなた
よく頑張ったとしか
かける言葉もなく
遺族は落胆の色を隠せない
どうにもならない
その具体的な現実を
突きつけられている
ご冥福を祈りつつ
合掌