
折り紙の傘を折ってみました!
「親孝行という言葉があるけれど、子孝行という言葉もあるんじゃないかな?」
昔、居酒屋で、ボクが務めていた上司がボソリと言った。
ボクはビールを飲みながら、黙っていたと思う。
「年取ると、親の有難みが泣けて来たりするんだよ」
上司は遥か遠くを見ているように呟いた。
「子供が小さい頃、親は躾という名のもとに、子供に勝ちに行く。これは必死の形相なんだよ。何故なら、親は最終的に子に負けてやらなきゃならんから。子は親に負けたくなくて、背伸びして戦う。反抗したり、喧嘩したりな。でも、それが必要だったと気づくのは、遥かに歳を取ってからだろう」
ボクは俯いて、何度と頷いていたと思う。
親から受けた恩は量りしれない。
殴られたり、叱られてばかりいた自分の痛みを人の痛みとして理解できる年齢になったんかもしれない。
「子孝行とは、何か染みる言葉ですね」
上司は目に涙を溜めていた。
親が子に伝えることは、
「人の痛みを理解する優しさ」
なんかな?
「痛みは自ら負わなければならん」
死んだ親父の言葉がよぎる。
親父が続けて、
「悲しい時に悲しいと言い。寂しい時に寂しいと言う。でもな、そんな言葉さえも心の中に飲み込んで、悲しい時や寂しい時に、笑顔で堪える優しさもあるかもしれないぞ」
「優しさだけが歴史を変え、時代を動かして行く」
という言葉が好きだ!
優しさとは、親が子に与える掛け値無しの愛情かもしれん!