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神楽

暇人です、文字ウチ書き間違え多、読み返すと内容変わるから読み返さない、読み方は皆様に甘えさせて頂きます。

かがみづき(3)

2017-10-01 16:01:00 | 短長編小説
山の中、
いつもの帰り道、母と娘が迷い込んだ場所は?、
見た事の無い村だった、

二人は少し安心した、
ここがドコなのか解れば、
自分達の村がドコに在るか、
解るかも知れない、
そう思ったからだ、
母と娘は最初に目に付いた家の扉を、トントン!、
「夜分遅くすみません、道に迷った者です、ココがドコなのか、教えて頂けませんか」

だが、明かりは見えるが、中から声は聞こえず?、

仕方なく二人は次の家へ向かう、
ところが、そこも同じだった、

暫く歩くと少し離れた場所に家が見えた、
その家の周りに人が沢山集まっている…?、
二人はそこを目指し歩く事にした、後少しで人の居る場所に付く、
……!!!??
何!?、

人の集まった家から炎!!?

人がその家から離れると、炎はタチマチその家をのみ込んだ!!、

母と娘は、そのコウケイに呆然とした、
母は我に返り、娘の手を引き、その場から立ち去ろうとしたが、
娘は何故か動かずに、
火柱が上がる家を見つめていた、

だが母の手の温もりに気付き、
母に引っ張られ村を離れた、

再び山の中、
気付けばいつもの道、
まだ夕日は沈みきって居なかった、だが、いつもより返りが遅いのを心配した父親が、
二人を迎えに山を上がって来る姿が見えた、
母と娘は父親を見つけ、
一目散に父親に駆け寄った、
父親は何が有ったか解らず、
だが二人に何か異変が起きたのだと感じ取り、
二人を連れて山を降り家へ戻った、

家に戻り少し安心した母親は、
山で見た出来事を父親に話した、

父親は今の二人の状態から、
夢でも嘘でもない事を悟り、
二人を連れて長老の家に行った、
長老は娘の両親の話しを、
最後まで聞き終わると、
奥の部屋から、
木箱を持って来て、三人の前で箱の蓋を開けた、

中に入っていた物は、
随分古い書物のようだった、

長老はその書物を親子三人の前に差し出した、
だが、親子は字が読めない、

長老は、書物に書かれているで有ろう事を語りはじめた、

「今から100年前、あの山の奥に小さな村が有った、村には山神と言う、神が奉られていた、だがその神は、何年かに一度贄を求める鬼神だった、村人は生け贄とする家を、村人達で作り鬼神が望めば、その家から贄を鬼神に葬った、だが、ある年の暮れ、贄となる者がそれを拒否して、家に籠ってしまった、その家には兄10才と妹5才の二人がいた、村人は妹を贄と決めたが、兄は妹をわたさず、仕方なく村人達はその家に火を放った、暫くして火柱が高く上がった時、天から稲妻が村に落ち、村は忽ち炎に包まれ、村人を含め全てを焼失させた、次の日たまたま村に旅の僧侶が訪れ、焼失した村を見て生きて居る者がいないか探した、だが人と思える炭塊が見えるが、生きている人の姿は居なかった、ところが村の一番奥に有った一軒家の井戸の中から微かに声が聞こえた、僧侶は人が居る事に驚きながらも、その人物を井戸から助け出し、話しを聞きこの書物を書き残し、鬼神が住むと言う洞窟に、この書物を書き残し、その時助けた15才の少年と旅を続ける事にした、旅の目的は……消えた妹を探す、その少年は妹は光に包まれ消えたと話していたらしい」

夫婦の娘は今年15才、少年が僧侶に助けられた歳、

娘は何かを思い出したかのように、長老の家を飛び出て、一目散に山へ向かった、夫婦も長老も後を追う、それを見つけた村人達も娘を追った、
付いた場所は、娘が15年前に空から落ちて来た場所、何を思ったか、娘は自分が落ちて来たあの場所の地面を手で掘り出した、両親や村人達も娘を手伝った、
暫く掘ると地面に裂け目ができた、裂け目から見えた物は、木蓋、何かを塞いでいる、村人達皆で木蓋の周りを掘り、全体が姿を表す、塞がれていたのは…井戸、村人達が井戸の蓋を開けた、すると井戸から水が溢れだす、

丸い井戸に、
月が輝く、
その姿はまるで、[かがみ月]、

その瞬間に、娘の顔を隠していた頭巾が消え、
娘の美しい素顔を見た村人達は、

娘を天女だと言った

…………〆