音信

小池純代の手帖から

日毎の音 球 201118

2020-11-18 | 日記

  球


 球体にとりかこまれて年の瀬の浅き流れの迅きを渡る


 クリスマスギフトにぞ良き『華厳経』聖樹を飾るインドラの球


 どこまでも堕ちてゆくのは球類のさだめすこしの瑕もないまま


 それぞれの宿業のごと少女たち好きな球戯の球を背負つて


 球体がぷかぷか浮いてゐる宇宙ときに浮輪がふかふか浮かぶ





コメント    この記事についてブログを書く
« 日毎の音 羽 201117 | トップ | 日毎の音 五 201119 »

日記」カテゴリの最新記事