・こよみ独吟・
みちのくはいま濃緑の葉月哉 濃緑:こみどり
長月なのに足らぬ一日
神無月地図の港に雲もなし
霜月の庭月と見紛ふ
極月といふどん突きに煉瓦尽く
正月の「正」陸続と増ゆ
如月の恋菓子ひとついやふたつ
薄切りにしてはさむ三月
フィレンツェに嘘の上手な卯月来る
五月の空は飛ぶ鳥が統ぶ
水無月を水から水へ旅の日々
奇数の脚の椅子と七月
†
遠足の支度をしながら考えた。
野点のように、草麻雀のように、
気軽に気楽にささっと遊ぶには。
適当なシバリを作って試しに巻いてみたのがこれ。
大まかなシバリは、
・歳時記は使わず。
・季語は十二ヶ月の月の名称のみ。
・ぐるっと一巡させて十二韻。
過程で発生した中ぐらいのシバリは、
・ほかの季語を使ってしまっても気にしない。
月の名前が入っていればよしとする。
あとづけのシバリは、やっぱりあったほうがいいこちら。
・「月・花」は騙し絵っぽくこっそり。
・「恋」は適宜まぶす。