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読書の森

茄子の思い出

秋分の日が近づくと、必ず艶やかな姿を見せてくれる彼岸花。根に毒があるので妖しいと誤解されてるようですが、江戸の昔は根を水に晒して毒抜きしたものを飢饉の非常食にしてたそうで、律儀で真面目な(?)花かも知れません。

そして秋茄子の美味しい時期ですね♪
彼岸花と並べると不似合いですけど。

野菜嫌いの父親が唯一好きだったのが茄子です。季節を問わず、我が家の食卓には茄子料理が並んでました。


(焼きなす)

(茄子とピーマンの味噌炒め)

(茄子の田楽)

尚、昔作ったものばかりです。最近は暑さに負け時短料理ばかりです。

どこの家庭でもそうでしょうが、私も母の調理方法が一般的だと思い込んでいたのです。実は独身時代の母は勉強や仕事は出来たけど家事一切やってません。結婚前の3日間で特訓して詰め込んだ着物の着方と米の研ぎ方、後はマニュアル頼みでした(当時は料理本)。それでも工夫が凝らされてて、私はとても美味しく食べています。

という事で、大学へ入学したての私は最初に入ったサークル(学生運動のメッカだったので一学期でやめた)で目から鱗の「茄子の煮浸しの正統派(?)^_^調理方法」を聞いてしまう。
教えてくれたのが下宿で一人暮らしの先輩男子。
「私、茄子を甘辛く煮たの大好きなんです。結構さっぱりしてるし」
「へえ。でも油で炒めてるからボリュームは出るけどね」
「茄子を油で炒めるの?(家の母さんは炒めてから煮ない)。ホント?」
「知らないの?茄子を油で炒めてから味付けするんだろ」

優越感に満ちた先輩の顔、「何もやったことないんだね」などとは言わないけど、そんなふうに見えてしまった。
ニヒルな横顔にかなり惹かれてた先輩だけに私は余計落ち込む。
「あゝ私は料理でまともに出来るのは親子丼だけなのか!」ガックリきました。

それが直接の原因ではございませんが、それから1年後、貯めたお小遣いを使って下宿暮らしを始めた訳です。おまけに「栄養と料理」の通信講座迄始め出しました。


旧高田老松町の学生下宿について何度も触れましたが、ベニヤ板一枚隔てた隣の跡見短大の女子、明るく楽しい人でしょっちゅうおしゃべりしていて、お風呂屋さんも一緒に行きました。
この子も若い女の子らしく、ちょっとナルシストで、手鏡を見ながら「私って、こんな可愛いのにどうしてボーイフレンド出来ないのかしら」などと呟いてた。

又話がそれましたが、お互いに覚えた料理を分けて食べてた時、彼女が作った茄子のしぎ焼きに瞠目いたしました。今でも印象に残ってます。
上の写真は料理雑誌から引用したものですが、そっくり同じでないけど、切り方や盛り付け方の見事さは似てました。

丸い大皿に、炒めた茄子を放射状に並べ、その上から如何にも美味しそうな味噌だれを格好良くかけたもの。
思わず歓声を上げてしまった。

彼や彼女、今頃どうしているでしょうね。
茄子の話か、遠い日の思い出か分からなくなりました。
ごめん🙏なさい。

これは直近のお手軽料理。

余ったハムと野菜、トマトケチャップをつかったハムライスですよ。
小さな頃からこの手のもの(お子様ランチのメニュー風)が好きで婆になっても未だに好みです。
尚、ハムライスの形が丸く出来たのは、薄く油を塗った器に入れてお皿にあけた為です。


読んでいただき心から感謝です。ポツンと押してもらえばもっと感謝です❣️

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