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読書の森

駅前にコスモスがとりどりの花をつけています。
夏の間、見かけた可憐過ぎるコスモスよりも時期を得て咲いた花は見事です。

「秋きぬと目にはさやかに見えねども」と古今和歌集にあったように、秋はひそやかに深まっていくもののようです。
一斉に花咲く春とも、日差しがパッと強くなる夏とも、きっぱりと覚悟したように冷たくなる冬とも違う、季節が行きつ戻りつ、という感じを私は受けます。


今日は秋にちなんだ私の好きな和歌や俳句を紹介します。

「秋日差し 明るき町の こころよし
何れの路に 曲がりて 行かむ」
   窪田空穂
気ままな街歩き、これは私も大好きです。
「いずこの町」と迄はいかなくても、スマホも地図も見ずに、いつもと違う路を歩いてどこにたどり着くだろうか?(近所の事ですから元に帰るのは簡単です)というワクワク感を味わいたいです。
ただこれを徘徊と間違えられると(?)とてもつまらない事になりますが。


「雲去れば もののかげなく 薄赤き
夕日の山に 秋風ぞ吹く」
       (若山牧水)
秋の夕暮れ、今まで覆っていた雲が消えた茜空。見上げて佇んでずんいると涼やかな風が吹く。山から吹く強い風ではなく、旅愁を誘う優しい風である。
とでも解釈しましょうか?
旅心が誘われます。


最後は俳句。
「秋雨や 線路の多き 駅に着く」
                 (中村草田男)

しとしとと降り続く秋の雨。線路の多い駅は何処か旅に出て見る町の駅を思わせます。

全て、「どこか遠くへ行きたい」という旅心を誘われる作品です。

私も行きたいけどね^_^



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