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病院生活のレクリエーションで音楽の時間があった。
様々な世代の患者のリクエスト曲を鑑賞したり歌唱したりする。
ポピュラー音楽に造詣の深い人がいて、楽しいひと時を過ごせた。
そこで、私は中島みゆきが『糸』を作った事を初めて知った。
1992年に出た歌をずっと聞く事がなかったのである。
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中島みゆきの歌と言うと、『別れ歌』『化粧』などの切ない情念を巧みに伝えたものが先ず浮かぶ。
一方、『地上の星』などスケールの大きな情熱を感じさせる歌をイメージする。
私は感情を前面に出す歌に慣れている。
そういう世代である。
ところが、この『糸』は感情を抑えて、実にさり気ない。
一見、中島みゆきの歌と思えないのだ。
この歌、尻上がりに人気が上がり、昨年のカラオケランキングでは常に上位なのだ。
発売以来、実に25年を経て今もブレークしている。
優しい曲だというのが第一印象だった。
糸の繋がりで男女の出会いを描いているようだが、人と人との繋がり全般を描いてるのではないかとも思える。
この歌に強引にこちらに惹きつけようとするあざとさは全く無い。
私はほんのちょっぴり今の時代に触れられた気がした。
人との優しい触れ合いや繋がりを心の中で求めながら、激しい感情を出さない、それが今の世代の特徴なのだ、と感じた。
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「なぜ巡り会うのかを
私たちは何も知らない
いつ巡り会うのかを
私たちはいつも知らない
縦の糸はあなた 横の糸は私」
世の中に数限りなく人はいる。
しかし、考えてみれば、この世で巡り会える人は限りがある。
その中で糸で結び合える様な縁があるのは、それは神秘的な運命なのかも知れない。
今迄来た道で、出会った縺れた糸を解こうと足掻くより、今迄持つ事が出来た人との縁の糸は、その分だけ大事にしていこう、と思う。