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「君はA国とB国が対立してたのは知ってるだろう。問題がこじれていた時、忍耐の糸が切れたどちらかが、核爆弾のスイッチを押した。強大な威力を持つやつをね」
それが、あの爆発かとルミ子は納得した。
「連鎖反応は恐ろしい。核兵器を持つ国全部が報復攻撃を始めたのさ。それを俺はもう使えないスマホで知った」
「で、どうして助かったの」
「僕の事務所のタイムカプセルさ。そこに入ると三次元の世界に移動出来る。発明家が実験的に作ったのを高額で買った」
ところが、あまりの爆発力で空間が歪み、二人はカプセルから放り出されて、砂漠に置かれた。
あまりにも信じられない話にルミ子は気が狂いそうだった。
「今や、物凄い量の放射能が降りかかってるんだ。俺たちの最後ももうすぐだ。
その前に生きてる事を楽しもうぜ」
健太の手がルミ子の身体を這った。
おぞましさと絶望感にルミ子は声を上げた。
「いやあ!助けて!あなた」