古本市で買ったグラビア雑誌をパラパラめくっていたら、びっくりする写真を見つけました。
昭和24年5月昭和天皇が戦後の地方巡幸で福岡の公民館に出向かれた時の写真です。
最前列に穏やかな笑顔の天皇陛下と、何かを探してる表情のお婆さんが映っています。
ひょっとしたら、このお婆さん、「この中のどこに天皇陛下がいらっしゃるのかしら?」
と探していたのかも知れません。
何故だか、警備がとても緩いみたいです。
おばあさんはどうしてこのご一行に紛れ込んだのでしょうか?
MPもいないし、周りの人も見て見ぬ振りしてます。
ここに入らない部分では喜んで旗を振ってる人々が周りに並んでます。
新聞社のカメラマンがこの一瞬を捕らえて写真を撮ったのでしょう。
おばあさんにもカメラマンにももちろんお咎めもなく、この写真は今に残ってます。
困ったような、微笑んでるような天皇陛下のお顔と、多分一張羅の着物を着こんだお婆さんの無邪気な顔の対比が、まるで別世界に思えます。
思えば、緩い社会だったのですね。
緩い時代の名残りと言ってはなんですが、昨晩のオカズにイカと里芋の煮物を作りました。
イカを先に甘辛く煮て、その煮汁で茹でた里芋を煮るのがミソです。
それにしても、この社会、緩めるところをぐっと緩くして、きつくするところは厳重にきつくしてもらいたいものだと思いつつ、イカを噛み締めたのでした。