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読書の森

松本清張『理外の理』の不可思議

今回の台風、今迄の理屈や常識を超えた世界で動いているようです。
気象にも政治にも門外漢の私が言うのはおこがましいですが、今度の総裁戦失礼ですがこれだけ内部で割れてる証拠を見せてるみたいで今迄の常識では全く計れない事態になっております。

尤も、我々高齢者にとって自身の身の安全の確保の方が大切かも知れません。
へそ曲りな私は、未だ認知がかかってない(?)内に安全性より安上がりの自由を楽しみたい思いでいっぱいでございます。スマホじゃない路線図を頼り(アナログは絶対ネットハッキングされる恐れないから)のテツコをやったりしてます。

ひょっとして私みたいなへそ曲りじゃないかと疑う(ごめんなさい)松本清張様、著名な作品とは別に珠玉のような短編の名手でもあります。



上の二冊は、有為転変を繰り返した親と共に歩んだ前半生から大作家への道を歩んだ軌跡がよく分かる作品群です。

松本清張はその頃非常に珍しい一人っ子(林芙美子は実質父親違いの兄弟姉妹がいる)で、しかも親の事情で転々とした方。その為に貶められた事が多かったそうですが、物凄い前向きなアイデアマンでもあったらしい。
常に新しい工夫をしてます。彼は九州の朝日新聞の広告を見て人事課に自分のデザイン画を見せて売り込んだそうです。デザイン画を勉強してましたので。
そこで広告デザインの嘱託として採用され、後に正社員となります。
結婚後もその向上心(負けず嫌いの虫)を発揮して懸賞小説に応募しました。

劣等感も持ちようによって活きる見本みたいな人生です。


前置きが長過ぎでした。『理外の理』とは普通の道理では計り知れない理屈の事です。
松本清張がこの作品で描いたのは言わば「暗示」の恐ろしさについてです。

流行遅れの金に困った作家が、己を貶める編集者に持ち込んで原稿の題名が『理外の理』であります。編集者は売り物にはならぬと同情どころかウンザリして突っ返します。
この編集者はそのあと事故としか見えない殺人で命を落とす事になります。

編集者としてみては利益にならない持ち込み原稿を返しただけの話なのに、、。

それにしても、この殺人(?)を考えた売れない老作家、売れてる清張さんと妙に重なります。相当巧妙なトリックが面白いです。

こんな時読むと結構スカッとするかも知れません。





読んでいただき心から感謝です。ポツンと押してもらえばもっと感謝です❣️

コメント一覧

airport_2014
@hirorin1224 かえすがえすありがとうございます😊
ただ私が「若い」を使用した意味は老作家に比べて若いと言うことなんです。
ごめんなさいね🙏
hirorin1224
>airport_2014 さんへ
>仰る通り「やり手の」編集者さんで私のblogは記憶違いでした。申し訳ありません。... への返信

ご指摘だなんて、滅相もないです。多分、勘違いされたのではないかと思います。読書メーターにも勘違いされてる方大勢いました。

やっぱり、立証は難しいですよね。今なら監視カメラなどあるけれど、作品が描かれた当時にはないですし、まさか今のようにそこら辺監視カメラだらけ、スマホで簡単に動画撮れるという時代ではないですし。
この編集長は、心配して同行しようとした部員を振り切って一人で行ったわけですし。
立証は無理ですね。

このトリック?を考えた松本清張?作品にぞわーっとしました。読メでも、読みたいって方が多かったので、たくさんの人にこの作品を知らしめることができて良かったです。(広報担当ではないのに)

これからも良い作品をたくさん教えていただけたら嬉しいです。
今日会った友達にも勧めておきました。
airport_2014
仰る通り「やり手の」編集者さんで私のblogは記憶違いでした。申し訳ありません。
なお、私がこのblogを続けている意味はボケ防止も兼ねてます^ ^
色々丁寧に指摘していただきありがとうございます。
又例えばこの巧妙な犯罪を刑事が暴いたとしても、故意である証明は出来ないと思いますが。いかなものでしょうか?(プロバビリティの犯罪となりますかね)
hirorin1224
先ほど『理外の理』読みました。読んでやっと「理外の理」の意味が分かりました。理屈では説明のつかないこと、科学的には判明できないことなんですね。そういうことは、やっぱりあると思います。私「言霊」を信じる方なんで。

死んだのは、若い編集者ではなくやり手の新編集長でしたが、この編集長も少し申し訳ない気持ちがあったようで~出かけて行ったんですよね。う~ん、これは結局事故として処理されたんですよね。でも編集部内では、出かけるのを知ってた人がたくさんいたから、警察には言わなかったんだろうかとか考えてしまいました。
読んでてとても怖かったです。
良い作品を紹介していただいてありがとうございました。
早速、読書メーターにも上げておきますね。
airport_2014
お返事ありがとうございます。ご主人がデイケアに行かれてるんですね。私も両親の老後を経済的にも世話してまして(故あって一人っ子でしたので)かなり大変でした。
どうか頑張ってください。
hirorin
>airport_2014 さんへ
>@hirorin1224 コメントありがとうございます😊早トチリでお宅の年代を... への返信

いえいえ、大丈夫です。私が1958年生まれで夫が1946年生まれです。夫、明日から週2デイケアに行きます。やれやれですよ~夫も息子も読書しない、同じ親に同じように育てられても弟は、読書しないんです。小学校の時は、よく弟の作文や感想文の代筆をしていました。
実家に谷崎潤一郎の本があって、それ棟方志功の装丁だったんですが、弟はなんと片付けの時に「ボロイ」とほかした(捨てた)んですよ。

弟には子供が三人いますが、一番下の娘(と言っても32で結婚済)だけが本好きで、大学の時に司書資格取ってました。私は、38で司書資格取ったんですけどね。でも実際には使ってないんです。

「理外の理」読むの楽しみです。
これからもよろしくお願いいたします。
airport_2014
@hirorin1224 コメントありがとうございます😊早トチリでお宅の年代を間違えてしまったようです。私の母も松本清張作品大好きで文庫本を揃えてました。その文庫本をそのまま読んでました。読書がお好きなんですね❣️嬉しいです。
今後ともよろしくお願いします。
hirorin1224
初めまして!良い本を教えてくださってありがとうございます。父が清張ファンで実家にたくさんあったので、小学生の時より読んでいました。
ただこの「理外の理」は、知りませんでした。
早速、図書館に予約いたしました。

戌年なんですね。私も!ついでに夫も一回り上の戌年です。

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