読書の森

日本人は戦争に向いていない 前編



小説すばる9月号で、戦後70年特別企画として戦前生まれの作家の対談を掲載した。
「日本人は戦争に向いていない」は対談の中で語っている。

作家のひとりは1930年生まれの西村京太郎だ。
ご存知「西京」の仇名で知られる推理作家である。

もうひとりは三好徹、1931年生まれである。
読売新聞の記者を経て、これも人気の推理作家となった。

共通点は東京生まれである事だ。
あの凄まじい空襲や飢えを体験し、なおかつ戦後の活字ブームの時作家を志した。



高齢であるに拘らず、二人の記憶力は抜群である。
創作活動は脳の働きの為に良いようである。

さて、この「日本人に戦争は向いていない」理由は何かというと日本人独特の死生観である。
「死ぬのが本望」という観念が戦時中にあったそうだ。

こう思ってバッタバッタと味方が少なくなれば、当然戦局に影響する。

「撃ちてしやまん」玉砕、特攻隊精神は戦争に全然向いてない。
確実に相手を倒す事を考えず、精神的なものを拠り所にして戦いをしたら負けるだろう。

じゃあ、太平洋戦争以前日本が勝った
のは何故かと言えば、意外性に尽きると思う。
あんな国がまさかという奇襲を、それも安心な他国の後ろ立てがあって、したのだろう。
だから勝った。そして一等国と呼ばれた。
実質が伴っていなかったと感じる。

日本人の諦めの良さ、潔さ、桜の花そっくりな、これは全然戦争に向いてない。
お隣の国を見てもかなり諦めないし、昔の事を忘れない。

こと戦争に関しては、しつこく悪どく、諦めが悪い方が向いている。

後半は私の独断と偏見である。

読んでいただき心から感謝いたします。

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