鎌倉の古物商のお店で見つけたナマの歴史本を紹介します。
当時の学徒兵の手になる、戦時の手記を編んだもので1993年に出版されてます。
筆者は慶大経済学部出身で後にブリヂストン系子会社の社長になった方。
学徒出陣当時の歴史研究に役立ちたいと戦友に呼びかけて当時の手記を集め、これを中央公論の編集者が後押しして作ったもので、営利目的とは言えないです。
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文学的な情趣や感動に欠けるかも知れませんが、当時の多数の学徒のありのままの声がそのまま載せられてます。
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1943年(昭和18年)、政府は全国約100校の大学、高等学校、高等専門学校に在学中の学生に対する「徴兵猶予を停止、徴兵年齢を1年引き上げ」をしました。
例外が理工と医系の学生です。
当時これらの高等教育を受けていた学生の数は同世代の約3%です。その徴兵猶予を停止した背景は戦死者の異常な増加で兵力を増やさねばならない苦しい事情があったのでしょう。
そして、何と学生側の殆どがこの措置を「やむを得ない」と受け止めたそうです。行けば死が待つ戦場へ、軍国主義に批判的で「できれば学生生活を続けたい」と願っていた若者達が、素直に命令に従ったという事です。
これはかなり重い史実で、いざ戦争となった場合に、平時の意見と異なっても戦いにつく国民が大勢を占めるという事です。
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ウクライナ戦争の残酷極まりない有様でプーチンは自国の国民から呆れられ嫌われたでしょうか?
先日の現地特派員の談話によると、驚くべき事にロシア国民の支持率は前より上がったそうです。
どのような情報がロシアで流れているか全く分かりません。ただし事実と異なる戦意を高揚させる話にすり替わっているのが十分考えられます。
ところで、4月末の調査で下がったと報道されてます。ロシア国民も不安を感じてる様子です。内部から批判された結果現政権が潰れる事を私は望んでいるのですが。
ただし、独裁体制の中や戦争中は非常に事実の真偽が非常に分かりにくくなるものです。
折角入手したこの本、じっくり読んで又お話ししたいと願っております。