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生活保護バッシングという大罪~自助努力など利権誘導の隠れ蓑だ!!!

2021-01-06 16:48:55 | エッセイ
 コロナ禍による経済活動への悪影響により、生活保護を受給する世帯が増えているという報道に接しました。このニュースを聞いて、少し前の生活保護バッシング騒動を思い出しました。

 売れっ子お笑い芸人の母親が生活保護を受給していることがバッシングの対象となってしまった一件です。そして、それを先導した人物は国会議員ということでした。

 売れっ子で稼いでいるんだから、親の面倒くらい自助でみろということなのでしょうか?結果、芸人さんが謝罪するはめに陥った記憶があります。

 有名人だから、バッシングの効果が大きいということであたかも不正受給者であるような論調で責められてしまったのは全くもっていきすぎであり、極めて不適切なことではないでしょうか。

 生活保護受給にあたっては、申請者の財産や家族関係をきわめて詳細に調査が行われます。その結果、受給が決定したのなら直接監査する立場にない第三者がとやかく言うことは基本的におかしいと思います。

 ましてや、マスコミに取り上げられて全国に報道されてしまうなどということがあってもいいのでしょうか?きわめてプライベートな問題を、本人たちの意思を無視してあたかも罪人のように扱う光景は異常です。このお母様はさぞかし肩身の狭い思いされたことでしょう。

 この出来事は生活保護受給者に対する人権蹂躙であり、名誉の回復のため民事訴訟を起こしてもいいくらいではと、私は個人的に思っています。

 コロナ禍の困窮状態の中、かたくなに生活保護受給を拒む人たちがいます。また、餓死者が発見されるニュースが続いています。孤独死だけでなく、家族ともども自宅で餓死しているのが発見されるなどということが今の日本社会であっていいのでしょうか?

 自分たちの利権のために社会保障の予算をひたすら削り、支持者たちのために信じられないような巨額の税金をばらまくようにして支出している現状に対して、われわれはもっと怒りを表すべきです。

 自助努力などというきわめてもっともらしい言葉を持ち出して、巨額の税金を私利私欲のために使うという行為が、もはや当たり前になっていて使う側も批判する側も麻痺してしまっているのでしょうか?

 それに比べて、先の生活保護の不正受給の疑いなどいちゃもんのレベルであることは明白ですし、そんなことに社会的影響力の大きい国会議員がわざわざ言及するなど、あまりにも弱者の立場を理解していない言語道断の行為だと思います。

 今日食べるものがない、明日食べるものがないという究極の状態を体験したことがないのは仕方がないとしても、それを思いやれる優しい気持ちと想像力が為政者には必要だと思います。

 ただ、いったいそんな資質を持った人物が国会議員になれるのでしょうか?もし、なれないとしたら社会全体でどうすればなれるようになるか、もう一度考えてみることが必要だと思います。

 生活保護制度は社会保障制度の中のうちのただの一つの機能です。なにか、特別なことではありません。必要があれば国民ならだれが申請してもいいのです。このことだけは、皆さん理解されたうえで日々の苦境を乗り切って行かれることを切に願っています。


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