カンナからの風

沖縄県北部東海岸にある小さな1軒のホテルから

バックパッカーの旅

2011-11-18 06:59:51 | 旅行

かつて20代の頃、オーストラリアに旅に出た。それは、突然の思い付きだった。毎日変わらない学生生活に刺激を求めての旅立ったのか・・何か心の中から湧いて出る冒険心だったのか今では、定かではないが、とにかく海外へ出かけようと言う衝動だった。コットンパンツにポロシャツにジャンパーを羽織って出かけた。バックにはTシャツと数枚の着替えだけ・・。後は、なんとかなると言う安易な旅だった。

しかし、この旅が自身にもたらしたものは想像以上に大きなものだった。初めて見る世界。シドニーに到着した時のわくわく感は今も忘れない。投宿するホテルも決まっていない中で、空港で宿探しから始まった。「シティー」と呼ばれるミッドタウンから電車で10分の所の街にある小さなホテルにチェックインしてとりあえず3日間のシドニー滞在を決め、そこからオーストラリアを1週しようと考えた。3日目の朝、ホテルを出て、バスターミナルに向かい、サーファーズパラダイスへ向かうことにした。約16時間のバスの旅。ちょうどスクールホリデーでもあって子供達が枕を抱えてバスに乗り込んで来る。両親の故郷への里帰りらしい。バスには、バックパッカーらしい若者達も大勢乗り込んで来た。動き出したバスの中では、早速情報交換が始まり、近くにいた女性がどこから来たのかと問われ日本からだと言うと、彼女は、来年は日本に行きたいと語っていた。彼女はドイツの大学生だった。こうして、様々な若者達とバスの中で深夜まで語り合ったのが昨日のことのように思える。B&Bにチェックインしようと思いながらもあまりに早い朝の到着だったのでビーチで時間をつぶすことにした。サーファーズパラダイスは、世界中から来た若者で溢れていた。知らない初対面の若者同士がどこがよかったとかどのそこのホテルのフロントにはひげが生えた女性がいたなんて笑い転げながら語り合った時代だった。こらが私の旅の原点となった。こうしてホテルの仕事をするなんて当時は思いもよらなかった。

世界が皮膚感覚で、身近に感じられたアナログの時代だった。生の情報を話す事でしか得られなかった時代だからこそ、隔たりなく語り合う事ができたのかもしれない。

*写真はオーストラリア政府観光局から

 


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