QRP Power誌のWes Hayward氏の記事[1]の机上追試の続き。
クリスタルにLを抱かせる効果をLTspiceで実験。QRP POWER誌の記事にあるようにインダクターに自由度はないので、コイルといっしょにトリマを抱かせてトリマで調整することを想定した回路が以下のとおり。
グリーンの線がもとのクリスタル。適当だけど、0.06mHのコイルと3pFのコンデンサを並列に接続すると、赤の線になる。で、クリスタルの並列容量をいじって合わせこんだのが青の線で、その時の並列容量は0.38pF。並列容量をもとの15%に減らせたと言えそうだ。
並列容量を2.5pFから0.38pFに減らすご利益を設計ソフトのDishal2052.exe [2]で見たのがこちらの2枚。0.38pFに減らせると40db落ちのところで明らかな対称性の向上が見られる。
で、この計算結果をLTspiceで試したのがこちら。上から、並列容量が2.5pFのクリスタルで組んだフィルタ(緑)、並列容量が0.38pFのクリスタルで組んだフィルタ(青)、クリスタルの並列容量をLCでキャンセルして等価的に0.38pFにして組んだフィルタ(赤)。理屈ではうまく働きそうだと分かった。
[1] Wes Hayward, Refinements in Crystal Ladder Filter Design, QRP POWER (The American Radio Relay League, Inc. 1996 ISBN: 0-87259-561-7) 5-8~5-13