理乃美

ソフトとハードと論理の覚え書き

エムデン方程式 - 空気の場合

2023-01-22 14:55:37 | 数理科学
レーン・エムデン方程式(Lane-Emden equation)を 空気 (2原子分子)について解いてみる。中心が27°, 1気圧 という条件で具体的な数字を出した。
2原子分子なので ɤ = 7/5, N = 5/2. とする。水素の場合と同じようにオイラー法でスプレッドシートを使って数値的に解く。
宇宙空間に水星の質量の半分程度の空気をあつめると自己重力でまとまって、中心は人間が生存できるとなった。だれか験算しておくれ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

エムデン方程式の具体的な形

2023-01-15 14:13:01 | 数理科学
水素の場合をexcelで計算してグラフに描いた。
球対称で平衡状態にある星(自己重力ガス球)の構造は、密度と圧力の間にポリトロピック関係が成り立つとした場合に次のレーン-エムデン方程式 (Lane-Emden equation) であらわされる。ガス球が水素からできている(単原子理想気体)とするとɤ=5/3 (N=3/2) となる。と、ここまでは、教科書[1]に書いてある話。

では、具体的にはどうなるかを計算してみた。
N=3/2の場合のLane-Emden equationをMaximaを使って変形して、Dの二階微分をDとDの微分であらわすとこうなる。

これをスプレッドシートでオイラー法を使って数値的解くとこんな感じ。より分かりやすく、Dを圧力Pと密度ρに読み替えてみた。


[1] 福江 純・和田桂一・梅村雅之、宇宙流体力学の基礎 (日本評論社、2014)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

自己重力等温ガス球の構造

2023-01-02 19:54:29 | 数理科学
構造が中心に対して球対象だとし、時間的に変化しないとして計算。
星内部に半径方向に微小な円柱を考え、上面と下面の全圧力と円柱内のガスへの重力のつり合いを考えると次の式になる。
(3.29)
また、半径rより内側に含まれる質量Mrは、
(3.31)
さらに、ガスの温度がどこでも一定として、理想気体の状態方程式を当てはめると次の式になる。
(3.46)
ここで、次のような変数変換をする。
(3.47)
(3.48)
すると式はこうなる。[1]
(3.49)
以上 ・・・
いや、これではどんな形状だかさっぱりわからん。
この2階微分方程式は解析的には解けないということなので数値計算する。と言っても、オイラー法ならスプレッドシートでも計算できるので、まずはそれであたりをつけてみる。
まずは、式3.49 を変形して、Dの2階微分 (D")をDの1階微分(D')とDの式 f(D', D)表現する。高校数学のレベルだがチョンボはしたくないので数式処理システム(maxima)に手助けしてもらう。なお、maximaでDと書くと定数扱いされてしまうので、ξの関数 D(ξ) として表現している。

あとは、次の式でξを少しずつ増やしながら計算していけばよい。なお、教科書では、境界条件としてξ=0 の時、D=1で D' = 0と書いてあるが、D"の計算でξ=0は特異点になっているので使えない。まあ、中心付近は重力の効果はほぼ無くて一様だろうから、わずかに離れたところでもD=1でD'=0だとして計算できる。
D (ξ + d) = D(ξ) + d * D'(ξ)
D' (ξ + d) = D'(ξ) + d * D"(ξ)
D" (ξ) = f (D'(ξ + d), D(ξ + d))

ということで計算してみたのだが、どうもDの減少の仕方がが思ったより小さい。グラフにするとこうなる。

青線がDで赤線が1/ξ^2 。D∝1/ξ^2 だとξが増えるに比例して質量Mが増え続けるということなので、どこかが等温ガス球の境界とは言えないということだよね。
定常状態にある理想気体からなる自己重力等温ガス球というのは星とは言えないのかぁ。


[1] 福江 純・和田桂一・梅村雅之、宇宙流体力学の基礎 (日本評論社、2014)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする