B級プッシュプルの適切なバイアス電圧のあたりはついたので、トランスリニアバイアス回路と比較してみる。
1KHz 28Vp-p の正弦波の出力をFFTして基本波に対して高調波の割合を読み取った。トランジスタはデフォルトモデル。
バイアス電圧 |
最大の歪成分 |
2番目の歪成分 |
3番目の歪成分 |
4番目の歪成分 |
B級PP 0.95V |
5次 -74.86dB |
7次 -75.30dB |
9次 -76.36dB |
11次 -77.62dB |
トランスリニアバイアス |
3次 -64.53dB |
5次 -72.20dB |
7次 -77.86dB |
9次 -82.50dB |
A級PP 1.9V |
3次 -79.8dB |
5次 -95.1dB |
7次 -109dBdB |
省略 |
トランスリニアバイアスよりB級の方が低歪という結果.
そこで歪電圧の波形を見てみる。このシミュレーション回路では、ソース電圧が V(n004)である。8Ω負荷を出力インピーダンス XΩでドライブしたなら、出力電圧は (8.0/(8.0 + X))*V(n004) である。それと実際の出力との差が歪波形。ここで、出力インピーダンスは歪波形を見ながら手探りで決めた。
結果としては、B級PPとトランスリニアバイアスではどっこいどっこいに見える。ただトランスリニアバイアスの場合、ぜんたいにうねうねと歪むのに対しB級PPだと0Vを跨ぐ所で急峻な歪があるという点が異なる。