QRP POWERのWes Hayard氏の記事[1]にある、通過帯域幅の広いクリスタルフィルタを作るのに邪魔なクリスタルの並列容量をLでキャンセルしてしまえ、というのに興味をもった。
まずは、クリスタルフィルタの設計ソフト、Dishal2052 [3]で調べてみる。
9MHzくらいのSSB用クリスタルラダーフィルタを想定。
Xtalのパラメータは、JA9TTTさんのサイト[2]にあったXtalの実測値を参考に、Lm=40.8mH, Cm=7.68fF, ESR=15Ω, Cp=2.5p, 直列共振周波数 8991 kHz とする。
通過帯域幅を2.7KHzとし、違いが分かりやすいように4素子とした。リプル1dbのチェビシェフ特性で構成した結果は以下のとおり。フィルタの特性の非対称性があきらかにでている。
ここで、並列容量Cpを、1p, 0.5p, 0.1p と変えてみるとこの通り。
たしかに、並列容量によってフィルタの特性の対称性が損なわれているのが見て取れる
SSGジェネレータ用途ならこの非対称性を逆に有効利用できるだろうけれど。
[1] Wes Hayward, Refinements in Crystal Ladder Filter Design, QRP POWER 5-8~5-13