トラ技のバックナンバーを読んでいたら、ジュールシーフ回路[1]というのが目に付いた。中途半端に使いかけの電池がいくつかあって、もったいないなぁと思っていたので試してみることにした。Wikipedia にもJoule thiefの記載がある。[2]
まずはコイル。手持ちのジャンクに、5ターンの巻き線付きのトロイダルコアで、DE-5000で測ると97.39μH @100kHz. (Q=25.3) というのがあった。トラ技の記事よりインダクタンスが一桁大きいが、まあ試してみよう。トランジスタは、定番の2SC1815 (秋月電子通商で購入したもの)。LEDは、手持ちの赤色LEDを2個直列にした。赤色LEDは順方向電圧が低いので乾電池に直結でも光ってまうので、2直にして乾電池の電圧では光らないようにした。
で、ブレッドボードに組んだ結果がこちら。見事に動作してくれた。
トランジスタのコレクタ電圧をオシロで見たのがこちら。
LTspiceでシミュレートしてみたのがこちら
シミュレーションでは、実験回路より周期が長いが 使っているLEDの特性がシミュレーションで使ったものとはだいぶ違うだろうから、まあこんなものだろう。
シミュレーションでLEDに流れる電流(青)とトランジスタに流れる電流(緑=コレクタ電流)を見るとこうなる。これだけ見ると、LEDよりトランジスタにたくさん電流が流れいて無駄使いしているように見える。が、電力で見ると別。その次の図で、赤はトランジスタの(コレクタ電流による)消費電力、緑はLEDの消費電力で、青はトランジスタのベース電流による消費電力。ざっと見て、緑の囲む面積は赤の囲む面積の10倍はありそうなので、電力効率は90%ということだろう。
[1] 小川 敦, "バーチャル・スタジオ26 もったいない!使い古しの乾電池でもLEDを明るく点灯する回路", CQ出版, トランジスタ技術 2016年 4月号 92-93,