しばらく前にヤフオクでTESLA K80を入手していたが、やっと試すことができた。で、結局は熱の問題で出直しである。
TESLA K80は、ヤフオクで5万円程度でいくつも出品されている。消費電力が300Wの大飯食らいとパッシブ冷却という扱いにくさでニーズが無いのだろう。
K80は、Keplerアーキテクチャ。現在のAmpere からさかのぼって、Volta, Pascal、Maxwell、Kepler というように4世代前の代物。それをなぜ買ったのかというと、倍精度番長だから。カタログスペックは、倍精度で1.87Tflops(Boost時 2.91TFlops)。
GPGPUの昔の用途は科学技術計算だったが、その後、人工知能にシフトしたことで倍精度演算がなおざりにされた。なので、倍精度の計算に限れば KeplerはそのあとのMaxwell, Pascalより早い。ディープラーニングをやらせたら今どきのグラボにもぼろ負けだろうけどね。
ボードの電源はグラボと違ってCPU補助電源. どうしようかと思ったら、ainex から EPS 12V用電源変換ケーブル (ペリフェラルx2 <-> EPS 12V 8ピン x1)[型番 PX-009A) というおあつらえのコードがあったのでポチッた。これがぴったり。
冷却が問題。eBayにはファンを取り付けるアダプターが出品されていたりするけど、よく読むとフルパワー時には冷却が足りないよと書いてあるものもあってなんだかなぁ。ということで、二つ並べた6cmファンから風を送り込むアダプターをえっちらおっちらと自作。
ということで、やっとTESLA K80をインストール。サンプルソフトを動かすのにちょっと手間取ったけど。
で、nbodyを動かして負荷をかけながら、GPU-Z で GPUの温度を観察してみるとやばい状態。外気温が26.5℃くらいだが GPUは92℃まで上がってさらにじりじりと上がりそうな雰囲気。こりゃだめだ。
調べてみるとK80にろくに風が通っていない。K80の冷却フィンのトンネルの空気抵抗が大きくて、ファンは回ってもファンの外回りのすきまから吹き戻ってしまっているようだ。
ファンを変えるにしても、今のケースでは、もう寸法的に余裕がない。別の手段としては、K80のカバーを外し、むき出しになった放熱器へ横からファンで風をあてて冷やす手が良く使われているようだ。グラボの3連ファン部分だけを隣に置くかんじ。だが、そうなると今度もまたPCケースの排熱が問題になる。CPUクーラーからの180Wすら籠ってしまうのに、300Wとなったらどうにもならない。PCケースあらためオーブントースターとなってしまう。
ということで、今回も熱に敗退。あたらしいPCケースが届いたら、改めて作戦を立てることにしよう。
後日談横から風をあてて冷却をこころみたのがこちら。Tesla K80の熱は手ごわい - 理乃美
強力なファンに変えて、冷却はできたけど... というのがこちら。Tesla K80 の発熱に勝った..のか? - 理乃美