ちょっと前のGraziaに、森瑤子さん・安井かずみさんの特集が載っていた。
森瑤子さんの本は、まだその機微がよくわからない頃から読んでいたけれど、安井かずみさんについては、どういう人か、それまで全然知らなかった。
なんてかっこいいんだ、
と、自分と対極にある強い彼女の姿に感銘を受けた。
そういう人だったんだ・・・
森さんにしても安井さんにしても、写真で見てもはっとするくらい、見る人の目に佇まいを印象付ける。
わたしは女性が目を伏せた表情がとても好きなのだけど、なぜならとても色っぽい角度であると同時に、その人の秘めたる中身・ポテンシャルが露わになるポーズだから。
お二人のそのポーズには、本当に「大人」としか言いようのない豊かさが見えた。
ある素敵な女性がいたとして、彼女の目線の強さ、引き込む魅力、その美しさのキーワードは『孤独』なのだと思う。
全ての美しくかっこいい女性は、孤独の重さと、そこから歯を食いしばって得た何かを糧に、強い印象を放つ。
化粧だけで、「目ヂカラ」なんかつかない。
恋人がいようと、何人もの友達の囲まれていようと、関係はなく、孤独はいつも自分の中からやってくる。
だから、自分でなだめすかす方法を見つけるしかない。
そのいなし方が、その人のクオリティ。
孤独は、その誕生から育ち、質、が、すべてその人の個性だ。上手に扱う人の放つ「華」は、その深みの為せる業。
安井さんについての記述に、
「若い頃の、誰もが羨む裕福な結婚生活を捨て、単身パリに渡った」
とすごいことのように書いてあったけれど、彼女にとって、それは、周りが驚愕するほどすごい決心ではなかったのではないかと思う。
もちろん、一大決心であっただろうと思うけれど、世間から見たその付加価値とのギャップが、彼女が目立つ一因だったのかも・・・とちょっと思った。
"裕福な結婚生活"、虚栄心と安定志向ゆえにこれを望む人は多いから、
「それを捨てるの?!」
と衝撃が走り抜けるのだろうけれど、どんな場所にいても、人はそこが自分の場所ではないと思ったら同じようにつらいし、所詮他人の芝生は青く見えるものだ。
そういう面倒な視線に晒されることを承知で、自分のやりたいようにやり、そして全うしたところに安井さんのすごさがある。
やりたいようにやる、というのは、さらなる孤独を追求する、ということ。
それを見つめるためにパリ、というのは、さすがの選択。あの街の孤独は、東京で孤独を感じる、のと全然違う。
ただ寂しいとか紛らすべきものとかそういう次元でなしに、孤独そのものを、いっこの存在として見つめられる場所だと私は思っている。
排除すべき存在ではなく、なだめすかし、どう昇華させるか、それについて見つめさせてくれる場所。
自分の中から湧き出す生命力の泉に力をくれる場所。
それは、落ち着いて静かに、自分だけの方法で世の中のことを捉える目も養ってくれる。
・・・東京じゃなぜかそんな風には思い込めないから、自分の修行不足を感じますが。
森瑤子さんの孤独も、家族や愛の中にいてなお感じるものが多い。
孤独とは自分の心が生み出すものだと最初におぼろげに知ったのは、彼女の小説からだったと思う。
彼女が抱えた痛みは、彼女にしかわからない、他のどんな人同士もそうであるように。
でも素敵な人の孤独の苦しみは、他人に向かって花開く。
言い知れない包容力、慈愛、情熱。
柔らかに他人に向かってこれを放つことが、彼女の孤独の昇華されたかたち。
最高に素敵だと思うし、それを思うだけでなぜかいつも涙が浮かぶ。
その過程の苦しみを思って。
感じた孤独に逆らわずに、落ち着いて静かにいよう。
内なる戦いを引き受けて、孤独を上手に味わう、こんな人たちの姿に励まされるのです。
【画...ザオ・ウーキー】
森瑤子さんの本は、まだその機微がよくわからない頃から読んでいたけれど、安井かずみさんについては、どういう人か、それまで全然知らなかった。
なんてかっこいいんだ、
と、自分と対極にある強い彼女の姿に感銘を受けた。
そういう人だったんだ・・・
森さんにしても安井さんにしても、写真で見てもはっとするくらい、見る人の目に佇まいを印象付ける。
わたしは女性が目を伏せた表情がとても好きなのだけど、なぜならとても色っぽい角度であると同時に、その人の秘めたる中身・ポテンシャルが露わになるポーズだから。
お二人のそのポーズには、本当に「大人」としか言いようのない豊かさが見えた。
ある素敵な女性がいたとして、彼女の目線の強さ、引き込む魅力、その美しさのキーワードは『孤独』なのだと思う。
全ての美しくかっこいい女性は、孤独の重さと、そこから歯を食いしばって得た何かを糧に、強い印象を放つ。
化粧だけで、「目ヂカラ」なんかつかない。
恋人がいようと、何人もの友達の囲まれていようと、関係はなく、孤独はいつも自分の中からやってくる。
だから、自分でなだめすかす方法を見つけるしかない。
そのいなし方が、その人のクオリティ。
孤独は、その誕生から育ち、質、が、すべてその人の個性だ。上手に扱う人の放つ「華」は、その深みの為せる業。
安井さんについての記述に、
「若い頃の、誰もが羨む裕福な結婚生活を捨て、単身パリに渡った」
とすごいことのように書いてあったけれど、彼女にとって、それは、周りが驚愕するほどすごい決心ではなかったのではないかと思う。
もちろん、一大決心であっただろうと思うけれど、世間から見たその付加価値とのギャップが、彼女が目立つ一因だったのかも・・・とちょっと思った。
"裕福な結婚生活"、虚栄心と安定志向ゆえにこれを望む人は多いから、
「それを捨てるの?!」
と衝撃が走り抜けるのだろうけれど、どんな場所にいても、人はそこが自分の場所ではないと思ったら同じようにつらいし、所詮他人の芝生は青く見えるものだ。
そういう面倒な視線に晒されることを承知で、自分のやりたいようにやり、そして全うしたところに安井さんのすごさがある。
やりたいようにやる、というのは、さらなる孤独を追求する、ということ。
それを見つめるためにパリ、というのは、さすがの選択。あの街の孤独は、東京で孤独を感じる、のと全然違う。
ただ寂しいとか紛らすべきものとかそういう次元でなしに、孤独そのものを、いっこの存在として見つめられる場所だと私は思っている。
排除すべき存在ではなく、なだめすかし、どう昇華させるか、それについて見つめさせてくれる場所。
自分の中から湧き出す生命力の泉に力をくれる場所。
それは、落ち着いて静かに、自分だけの方法で世の中のことを捉える目も養ってくれる。
・・・東京じゃなぜかそんな風には思い込めないから、自分の修行不足を感じますが。
森瑤子さんの孤独も、家族や愛の中にいてなお感じるものが多い。
孤独とは自分の心が生み出すものだと最初におぼろげに知ったのは、彼女の小説からだったと思う。
彼女が抱えた痛みは、彼女にしかわからない、他のどんな人同士もそうであるように。
でも素敵な人の孤独の苦しみは、他人に向かって花開く。
言い知れない包容力、慈愛、情熱。
柔らかに他人に向かってこれを放つことが、彼女の孤独の昇華されたかたち。
最高に素敵だと思うし、それを思うだけでなぜかいつも涙が浮かぶ。
その過程の苦しみを思って。
感じた孤独に逆らわずに、落ち着いて静かにいよう。
内なる戦いを引き受けて、孤独を上手に味わう、こんな人たちの姿に励まされるのです。
【画...ザオ・ウーキー】
こんなに美しく、的確な文章を見たのは、たぶんはじめてかも・・・。
みんながそれぞれ自分の「孤独」と向き合って生きているんですよね。
ごまかさずに、紛らわさずに、受け止めようとする女性が、凛とした美しさを醸し出すのかもしれない。
いろいろ考えるヒント、頂きました
ありがとうございます
休養中に失礼いたします。
森瑤子さんと安井かずみさんって、大人の素敵な女性のお手本です。
私にとって・・
安井かずみさんは、一冊のエッセイに出会ってから、
その生き方に惚れ、憧れ、なんて魅力的な方なのだろう・・とトリコになりました。
そしてまた本が増えました(笑)
恋を愉しみ、食を愉しみ、人生を愉しんだお二人。
私も見習いたいと思いました。
(孤独、とは違う観点からのコメントになってしまいました・汗)
いてもたってもいられない心細さで訳もわからずおろおろしてしまう時もあって、でもそれがある程度まで達すると、「待て待て、なんでそこまで?」って急に我に返るようなこともよくあって。
視点の位置によって、自分のいる場所ってどうにでも意味づけが変えられるんだなと思っていたときに、芯のくっきりしたお二方の写真を見て、ただ「なるほど」と頷かされました。
私がうろうろしていたそこは、重要な切り替え地点だったんだなと。
安井さんについてはまだ著作読んでないので無知な恥ずかしいこと書いたかも。。これから学びます♪
森さんのエッセイの中に安井さんのお名前が出てきますよね、それで見覚えはあったのですが、なんとなく手が出ていませんでした。
しかし、お若い頃からの写真を初めて見て、「タ、タイプ!」とにわかに射抜かれちゃいました。
「シャネルが好きだなんて簡単に言わないで。クロゼットの端から端までザーッと揃えてから言って頂戴」
って発言、これです、このクイーン気質。
女王好き(←自身はずっと小姓で終わりそうな感じありありですね)として、注目します。遅ればせながら。
そうそう、森さんのエッセイに安井さんについてのエピソ\ードが書かれていましたね☆
あ~ん、miさまに読んでいただきいです、ぜひ。
なんだかね、イイ女になれそうなのです。読んでいると。
仕事をきちんとしながらきちんと家事もこなし、夫を愛し、オンナも愉しむ。
独特の言葉遣いが、ふんわりと心の中に入ってきます。
わたくしごとですが、躍起になって4冊集めました(笑)
というのが可愛らしい(*´∇`*)
仕事、家庭、育児・・・、プラス女!
毎日何年も、たゆまず続けるって、すごいことですよね。
私だったら、1日演じて「ふう、次は1ヵ月後ね!」みたいな気分になりそうです。
まずは、ご本を手に入れなくてはですね!
(ちょっとは的を射ていましたか。よかった・・・)
わたくし、二冊ほど(なぜか)ダブって持っているから、差し上げたいですわ・・
お気遣いうれしいです♪だいじょぶですよ、最近本屋でじっくり時間を、ってあんまりなかったので、ここぞとばかり、堪能してまいります!たくさん手に入れられるなんて、noisetteさまがそんなにはまってらっしゃるなら、ぜひ私も入手しないとです。
タイから、ようこそお越しくださいました
男性にとっても女性にとっても、孤独そのものの重さは同じではないでしょうか。
愛と孤独は常に近くに在ると思いますが、そのかたちが、性別で大きく変わるようには思えないでいます。
誰かを大切にしたい、誰かから大切にされたい、
その思いが自然に湧き上がるような人に、私は親しみを感じます。
ただし、愛を知った分、孤独は深くなるような予感がしています。。