Belle Epoque

美しい空間と、美しい時間

夜明け直前

2006-05-15 | vie... kurashi
眠れずに夜明け前の空が薄青く染まったベランダで深呼吸した。
しっとりした空気がなんだか懐かしい、なぜだか、フランスにいた時期にやはりこんな状況でこんな時間帯、同じ匂いの朝をかいだことを唐突に思い出した。
フランスに僅かながらも暮らしたのはもう6年くらい前のことになる。
あの頃から何が変わったろうか。
変わらないのは、いつでもドキドキとかハラハラとかズキズキとか極限の感情を味わうことで毎日の手応えのようなものを確認していたこと。変化を求めてやまなかったのは以前の方が顕著だった。
が、穏やかで少しずつじっくり育てるものを持つことは退屈なことではなく一番重要なことだと今は知っている。

同じ匂いだと思ったらそれを共通項にして過去の時間と繋がれることをすごいと思う。
けれど繋がってみてショックだったのは、この数年間に、なくした感情がいくつもあるような気がすることだった。
年齢を重ねたからとかそういうことではなくこれは心がけの問題で、失った心がけがいくつかあるということのような気がする。
心の痛みに踏み込みすぎないようなワザを習得しているとも言えるし、自己防衛機能はうまく働くようになったけれども、自らを見つめようとする集中力も欠いているような気がした。
そうやって鈍感になっていけば、悩みは減り、何も問題などないかのような安らぎを感じることになるが、そんな風に、これで万事いい、という安楽椅子に座るような気持ちはたぶんずっとやってこないと思うし、またそんな気持ちになってはならないのだと思う。

なんだか最近、気持ちの切り替わった新しい暮らしのパターン (シゴト云々ではなく) に手探り状態でまだなんとなくなじめない。
今までの自分を脱いで、新しい肌が外界に触れる時は、いつもこんな感じだったのかもしれない。
何もかもキモチひとつで変わる、不思議な気がする。


(タイトルと気分を引っ掛けるなんて陳腐なことする気はないのですが

2 コメント

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うんうん。。。 (夜子)
2006-05-15 13:09:06
薄明かりのなか、一生懸命自分と向き合おうとする

miさまの姿が目に浮かぶようでした。

とってもいとおしい感じがしました。

それに、おっしゃることも、とってもよくわかるわ。



「青」ってそんな気持ちにさせられますね。



人生手ぶらになることなんてなくて、

自分のそのステージに合わせて難問珍問がやってくるんだと思います。



あたしも日々順調に(?)

難問だらけなんですもの(笑



でも、自分を否定するだけで安心してしまわずに、

新しい道と可能性を探し続けていこうではないですか

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ありがとうございます (夜子さま(mi))
2006-05-15 20:28:37
こんばんは!

いつもいつも、頼もしいお言葉をありがとうございます。しかも、的確に芯をつつく感じが、すごくやはり気の付く女性なんだなと、あらためて好きになります!

ちょっとバランスが取れるとすぐ安穏としてしまい、進む力が弱くなり、いざという時に使い物にならない自分を反省してます。

今はどっちかというと幸せなときです。(これを見て暗い文面だと心配して電話くれた友達もいましたが、筆力の至らなさですね・・・☆すみません)だから勢い落とさずに、甘えないで安心しきらないで、さらに欲を出せる底力を持ちたいです。

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