Belle Epoque

美しい空間と、美しい時間

『世界が恋した日本のデザイン KATAGAMI style』

2012-08-26 | art... bijutsu
少し前の話になりますが、京都での展覧会に行ってきました。

公式HP
世界が恋した日本のデザイン KATAGAMI style


8月28日(火)からは三重県での展示になるそう。



たいへん内容の濃い展示で、大いに脳が刺激されました。
行って良かった!
久々に、展覧会カタログも買ってしまったほど。

日本の古来よりの衣服に採用された、様々な模様のパターンが、ヨーロッパ、アメリカへ広がっていき、衣服を超えて工業デザインにまで影響を与えた様子が順を追って閲覧できます。



イギリスのリバティプリントなども、もともとは日本の型紙に影響を受けていると知ると、目にしたときの懐かしさに納得です。
ラリックのガラスが愛されているのも、不思議な和洋の融け合いに魅惑があるからだし、
さらにティファニーの人気も、原点はここだったかという驚きあり。



自然が生みだした、

海のさざ波の作りだす幾何学模様、
木々の葉の重なりが生み出す秩序、
花びらの整然、
女の髪の流れる様、
雲の流れ、
昆虫の精巧さ、
魚のうろこの厳密さ・・・

これらをデザインに落とし込む、感性の鋭さと豊かさにため息。
また、これらの組み合わせの粋さに、心がゾクゾク。

ART、っていうと、
「現代ものはよくわからない」
とか、
「もっと生活に余裕があったら観にも行くけどね」、
的な敬遠のされ方をよくされているけれど、
もともと、人間の暮らしからずーーーっとかけ離れた存在 なんかではなく、
暮らしをより豊かにするための、ささやかで粋な日常的な工夫。
一見奇抜な芸術だって、何か新しい“思想”の提案であり、常識に閉じこもっていた心を一回り大きく広げるような働きをするから、意義があるのだと思う。

この展覧会は、日常からそっとスタートした「美意識」「お洒落」が、世界全体を精神的に豊かにしていく様をなぞることができ、安心した気分で観ることができました。
人の手で再現された豊かな自然に包まれて、のびのびと嬉しい気分で帰途につくことができます。





photo...ドーム兄弟、ルイ・マジョレル ランプ《たんぽぽ》 1902年頃 北澤美術館


↑学生時代に見に行きました。久しぶりに再会。相変わらずすごく魅力的です、大好き。
写真よりも本物の迫力が素晴らしすぎる。吸い寄せられます!

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