Belle Epoque

美しい空間と、美しい時間

『ピンク・フロイド・バレエ』

2005-10-15 | art... bijutsu
「行きませんか」
と、元・同僚に誘われ、それまで全然知らなかったけど、興味をおぼえて行ってきました。
ローラン・プティ振付・牧阿佐美バレエ団、『ピンク・フロイド・バレエ』

実は、モダンバレエの舞台鑑賞は初めてでした。
素っ気ない舞台のセットに、ダンサーの体に張りついた素っ気ない衣装・・・
表現力が全てで、またそれもクラシックとは違うダイナミックさと予測のつかなさに、とっても新鮮な印象を受けました。
しかも、音楽がピンク・フロイドです。
一曲・一曲ごとにがらりと、ムード、ドラマが変わり、飛び跳ねるダンサーはリズムや音符そのもの。
まるで、音楽を目で聴いているような感じです・・・
初演の時には、バンドの生演奏で公演を行ったそうで、それ見てみたかったなあ、、、とザンネンに思うほど、私の中でも斬新にヒットしました。

男性ダンサーの、目をみはる程のダイナミックな跳躍、回転、
女性ダンサーのしなやかな柔軟さ、可憐さ・・・

また、日本人ダンサーはみんな少年みたいな細身で繊細な印象、キレのある動きをし、
白人ダンサーは、なめらかで、どことなく物憂さを漂わせる動き、
黒人ダンサーはなんといっても圧巻、感動的なばねのような筋肉の張りと空気を切り刻むかのようなクッキリした動き、
という、人種によるキャラクターの違いも、すごくプラスに堪能しました。
話には聞いていたけれど、ここまでそれぞれの魅力に違う味があるとは。

鍛え上げた人のカラダって、かっこいい。
カッキリと強い光を放つ白のライトを受けて踊る、ダンサーたちのシルエット自体にも、感銘を受けました。
終了後、まあお約束のように、
「女はやっぱりおしりよね!」
「背中よね!」
「あんなに足が上がるなんてね!」
「背面て、どうやって鍛えるの?」
「さあ・・・足上げ?」
と2人、興奮してわちゃわちゃ喋りながら、席を後にしたのでした。

開演前に飲み物を買った時、私はつまんなくペリエだったけれど、友達が缶ビールを飲んでいたのが、大変正解に思えました・・・
酔って眠たい時、現実と夢の世界の境界線で見る景色に、この舞台はちょっと似ていなくはないだろうかと思ったのです。
シュールで、不思議な美しさ。
酔った頭にはすんなりシンクロするような気がしました。
夢以上のインパクトを、リアルに実現するローラン・プティ、すごいです。

4 コメント

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久しぶりにお邪魔します (どんぐりん)
2005-10-27 03:01:15
ローラン・プティ!いいですなあ!

いいものをご覧になったのですね!

ずっと前に、プティの『眠りの森の美女』を見たのですが、

クラシックにつけた振り付けが何とも新しく、また上品かつおちゃめで、

何に振付けても、『ああ、プティだな』と感じるものがあって、いっぺんで大スキになりました。

ピンク・フロイドはどんなになっちゃうんだろうと、期待してドキドキしながら見たのですが、

ダンサーの活かし方といい、あの、どこか乾いた雰囲気といい、期待以上の驚きに似た感動がありました。

プティのステージって、音楽で言うと、指揮者のシャルル・デュトワの振りっぷりに、何だか似ている気がします。

頭の先から足の先までどっぷりつかっているのではなく、少し離れて楽しんでいるような感じが。









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どんぐりんさま (mi)
2005-11-03 20:18:18
こんばんは!

ご無沙汰してしまって、ごめんなさい!

お風邪もうすっかり大丈夫ですか?



プティ作品、初めてにして良いものだったのか、さすがのコメント、うれしいです。ありがとうございます!!何も知らないで見ちゃうのって、もったいないですね!価値を知らないで・なんて贅沢ですけど。

シャルル・デュトワさんを知らなくて申し訳ない・・・ですが、遊び心のある、洒落たステージだったというのは、とても感じました。

眠りの森・・・は、どんなになるんでしょう。私も、観てみたいとすごく思います
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ピンクフロイド (田中浩一)
2005-11-03 23:27:37
これを言うと年がばれますが、ピンクフロイド懐かしいです。原子心母、プリズム、アニマルズなどのアルバムを中学の頃聞いていました。ばれの音楽はどのあたりの曲を使うのでしょうか?
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田中浩一さま (mi)
2005-11-04 00:38:36
う、ゴメンなさい、曲目がもう手元にありません・・・。

お答えできず、すみません。。

人気の公演みたいなので、再来日の際には、ぜひご覧になってみてください
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