化石の日記Ver.2

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「人は、無力だから群れるのではない。 あべこべに、群れるから無力なのだ。」

2012-02-11 00:41:40 | 読んだ本とか
「竹中労 左右を超越するアナーキスト」 鈴木 邦男著

を読みました。


表紙。そして文中にもたびたび書かれているこの言葉。

カッコイイ…

とかく群れたがる日本人的には、ガツンとくるものがあります。


(あと、最初の方に出てくる「革命とは実務である」もカッコイイと思った)


タイトルを見て、なんとなく、竹中労の評伝というか、

主に著作について扱った本かななんて思いましたが。

そうではなくて、竹中労とどういうやりとりをしたか、という

一種の

「竹中労 体験記」

みたいな内容でした。


著者の鈴木邦男は右翼で(「一水会」代表)、

竹中はアナーキストて書かれるくらいなので左翼。


思想的に180度違う、というか、右と左で敵対関係だけど、

意外にもかなりの親交があったという。。。。

これは、竹中労が

天皇を認めるか認めないかということを留保すれば、

右と左は連動できるのでは

という考えで

「左右を弁別すべかざる戦線」を作りだすことに熱心?だったからと、

鈴木邦男が、左翼に理解のある右翼というか…


両者とも中間地点を目指しているような感じ

だったところが大きかったと思いました。



それで、私は「左翼」、「右翼」と言われても

ボンヤリとした認識しか持っていなくて、

この本を読むまでは、左翼と右翼がケンカするのって、何で?とか

思ってしまいました(汗。。。



現代史でも公民でも、

ぜったい入試には出なさそうな分野だし、

ものすごく興味がわかない限り、本を読もうとか思わないのでは。



私より下の世代は、かろうじて右翼がぼんやりわかるくらいで

左翼って何のこと?とか言いそう。。。



なので、この本に書かれている右翼と左翼の交流・対立は

ちょっと前の日本にこんなことがあったのだ…

と、お勉強みたいな感じで読みました。

それでも面白かったです。




鈴木さんは右翼なので、右翼の催しがホームで、左翼主催だとアウェイになるのですが、

何と、「ホーム」よりも「アウェイ」の方が居心地がいいという…

それはなんでかというと、


「アウェイ」の左翼の集まりで、人権問題など、何か考え方が一致するようなことが出てきた場合

「話しがわかるじゃないか」と好反応が返ってくるのですが。

同じ右翼の集まりで、少しでも違う見解が出てくると、叩かれることが多い…



鈴木さんは、(意見の一致に対する)「期待値が高い、低い」という表現をされてました。




そして、

>左翼も右翼も、皆、同じ考えの「同志」を求める。

>何千人、何万人いようとも<一体>になろうとする。

>同じ心、同じ体になろうとする。そんなことは不可能なのに…。

>人間はそれぞれ、別個の存在だ。だからこそ面白い。


>それなのに「距離感」を無くそうとする。群れ、団結しようとする。

>そのことで強くなれると思う。僕も昔はそうだった。

>強固に団結した人間が百人、千人になる。さらに一万人、十万人となる。

>そうしたら確実に、この国はよくなると思った。

>「個人の考え」はない。

>でも、団体の中に、全体の中に入れば、それは心地よかった。

>一万人の中の一人だとは思わない。自分が一万人になって、

>この世の中を動かしていると思ったのだ。 


>それが錯覚だと思ったのは最近だ。

>「同じ心・同じ体」の団体で、ちょっと個人的な考えや疑問を言うと、

>徹底的に批判される。排除される。

>自分が必要とされているのではない。数としての「一人」が必要とされているだけだ。





…長々と引用してしまいましたが。

この文章を読んで、右翼左翼に限らず、当てはまる組織はいっぱいあるのでは。。。


なんて思いました。