BLロック王子小説「ディスティニーアンダー・グラウンド-ギターとスターに愛され過ぎた王子-」

 ★過去に傷を持つ美貌のロックギタリスト遠藤麻也(まや)。運命の恋人・日向 諒と東京ドームに立つが…

★BLロック王子小説1-6「ディスティニーアンダーグラウンド」

2019-06-27 20:56:23 | ★ディスティニー1章
 仕事のパートナー状態が変化してしまえば、プライベートも変化してしまうのでは…という不安もあって…
 それでもっと諒を求めてしまうのだろう…
 麻也はそこからは無言で、諒の背に両腕を回して諒を抱き寄せた。
 シャツをはだけた胸を撫でられながら、耳にキスされる。
 それから諒の手は南下して、麻也のパンツのボタンをはずし、ジッパーを下ろすと、中に手を突っ込み…
「…あ…諒…そんないきなり…」
麻也の声に喜色が混じっていたことに諒は喜び、
「…ホントに麻也さんたら、こんなに欲しがってくれて…」
と、優しく握り締められる。すかさず麻也も諒の耳元で、
「…早く…中に入ってきて…」
(ちょっとサービスしすぎかな…)
 そう麻也は心配になったが、諒は特に不審がる様子もなく、笑顔のまま急いで麻也を一糸まとわぬ姿にすると、自分も服を脱ぎ捨て、また麻也に重なってきた…

★BLロック王子小説1-5「ディスティニーアンダーグラウンド」

2019-06-27 07:26:48 | ★ディスティニー1章
「…もう、麻也さんは2つもお兄ちゃんなのに…
 俺がいないと困るでしょう? 」
「うん…あ…」
「だから、これからもこうして一緒にいようね。」
「でも、俺もオジサンになっちゃうよ…」
「ならないよ。29才でこの可愛さでしょう。あいかわらず天女みたい、お姫さまみたい…」
と、諒の綺麗な手が頬を撫でる。
「…そうかな…」

★BLロック王子小説1-4「ディスティニーアンダーグラウンド」

2019-06-26 21:12:09 | ★ディスティニー1章
 すると諒は、優しく麻也を抱き寄せ、耳元で囁いてくれた。
「…麻也さんてば、しょうがないなあ…」
そして、ベッドに行こう、と腰に手をまわしてくれた。
 麻也は黒のジャケットを脱ぎ捨て、白のフリルシャツに黒のパンツのまま、ダブルベッドの上に仰向けになった。そしてさらに諒を誘う目をしてみた。
 潤滑油のワセリンをバッグから取り出した諒は、
「…もう、まったくお姫さまなんだから…」
身長174センチのお姫さま、183センチの王子様に笑われる…
 諒もパープルのジャケットを脱ぎ、覆いかぶさってきて、キスをしながらシャツのボタンをはずしてくれる。

★BLロック王子小説1-3「ディスティニーアンダーグラウンド」

2019-06-26 06:51:13 | ★ディスティニー1章
 麻也は何となく、二人が大好きなグラムロックの大御所「T‐REX」の「20th Century Boy」を鼻歌で歌ってしまった。
 「I wanna be your boy」のところは歌詞を口ずさんで…
 すると諒はくすっと笑い、
「そこだけ歌う?」
 それから麻也は一口だけシャンパンを飲むと、珍しくも、自分の方から諒の顎に手を伸ばし、くい、っと持ち上げると唇を重ねていった。
 唇を舌で割り、歯を…と思ったところで、諒の舌に絡め取られた。
 やっぱりリードは俺の方だよ、というように。
 麻也の好きな長い深いキスはいつしか、諒の手に髪をかきわけられると首すじを流れていき…
「…あ…諒…」
 いつも以上に早く声が出てしまう。
 まあこれも作戦ということで…
(…もうこれで最後かもしれないから…)

★BLロック王子小説1-2「ディスティニーアンダーグラウンド」

2019-06-25 20:54:26 | ★ディスティニー1章
 バンドが解散してしまえば、諒は本名の「日向(ひゅうが)諒」の名義でソロ活動をすることが決まっている。
 解散に最後まで反対していた麻也の今後は、全くの白紙だった。
 いや、いろいろとオファーはあったし、自分でプロジェクトを立ち上げることももちろんできた。
 しかし、麻也には何も決められなかった。
 とにかく混乱したまま…いや、納得できないまま解散の日を迎えてしまった、そんな感じだった。
 日付が変わり、今日でバンドとしての契約も切れる。
「あと4日で21世紀か…何だか信じられないよね。」
 窓の外の漆黒の闇に目をやって、麻也は何となく言った。
 が、少し寂しくなる。
 他のメンバーは、新しい世紀に、生まれ変わるように華々しく新プロジェクトを展開していくのに、自分は…