らしくもなく 、伏し目がちで、ちらちらと 麻也の顔色を伺ってくる諒がちょっとかわいそうになって、麻也は諒に促されるままリビングへついて行った。
明るいリビングはエアコンのおかげで快適だった。
「はー、夏はやっぱりアイスコーヒーだね」、
と二人で同時に言って笑い合った。
何となくラスクを食べて、 それから…気付けば 二人で絨毯の上で転がって寝ていた。でもその時、後ろから諒に抱きつかれて…
「まぁいいか…」
(でも風邪ひいたらやばいよな…)
そう思った麻也はソファーにあったフェイスタオルを諒にかけた…腰にかかってしまったが。
( 幸せ…よかった…諒を失うことがなくて…)
そして東京ドーム公演までが決まっていることを思うと…
(とにかくすれ違わないように俺からも気をつけ続けなくちゃ。まめにメール、とかから始めようかな …)
さらに恩人の恭一に連絡しなければ、とも思った。
(まずはメールだよね。電話より…)
そこで麻也は固まった。(あ…でも諒と俺でこのままうまくいくのかなもう少し様子を見てからの方がいいのかな…)