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日本歴史紀行

歴史紀行 地域版 7 ねこ塚、ねずみ塚 (静岡県)


ねこ塚
静岡県 御前崎市 御前崎

ねずみ塚
静岡県 御前崎市御前崎市ケープパーク

昔、御前崎に遍昭院という寺がありました。

寺の住職がある朝、海岸で難破した船があると聞き、様子を見に行くと、木片に掴まって流されている子猫を見つけたので、漁師に頼んで助けてもらいます。

住職は何かの縁を感じたのでしょう。
子猫を寺に連れ帰り、飼うことにしました。


子猫は住職の愛情を受け、 隣家の猫とも仲良くなり、すくすくと育ち それから約10年の月日が流れた頃、遍照院に旅の僧が宿を求めてきました。

住職は快く僧を迎え入れます。

そして3日目の夜中、本堂の屋根裏で何か争う大きな物音がしていました。

翌朝、住職が屋根裏を覗いてみると、寺の飼い猫と隣の猫が深手の傷を負って倒れていました。

さらに奥の方で旅の僧の衣服をまとった犬程の大きさもある大ねずみが死んでいました。
旅の僧化けて住職を喰い殺そうとした大ねずみの企みに気付いた猫が、命を助けてもらった恩義に報いるため、大ねずみを倒して住職の危機を救ったのでした。

住職は2匹の猫を懇ろに葬り、そこに塚を建てて供養しました。

これが現在、御前崎市の住宅地に残る猫塚です。

一方、猫に退治された大ねずみは、海に捨てることとなりますが、村人は運びきれずに海岸近くの崖に棄てて帰りました。

数日後、村人の夢枕に棄てられた大ねずみが現れ、改心して今後は大漁と海の安全を約束して、守り神となるから、お墓を建ててほしいと訴えました。

村人は 他の村人達とも相談して、大ねずみにも墓を建ててやることにしました。

それが現在 伝わる ねずみ塚で、以来、御前崎の人は、航海や漁の安全を祈願しに訪れるそうです。

猫塚は静かな畑の側に昭和7年に建立され、かなり風化が進んでいます。

一方のねずみ塚は、カップルや家族連れが訪れるケープパーク近くのねずみ塚公園として整備されています。

住職の危機を救ったのは猫の方なんですけどね。




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