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日本歴史紀行

歴史紀行 22 ‐ 1 東寺 (教王護国寺) 五重塔













東寺 【教王護国寺】

京都市南区九条町



794年 延暦13年、長岡京より平安遷都を敢行した桓武天皇は、遷都から2年後に平安京 南の羅城門の東側に王城鎮護の寺院として東寺を建立しました。


東海道新幹線やJR各線、それに近鉄線が京都駅に到着する際に車窓から目に入るのは、東寺はおろか、京都のシンボルともいえる高さ55メートルの日本最大の五重塔です。


創建当初の東寺には五重塔は建立されておらず、823年 弘仁14年、嵯峨天皇により弘法大師 空海に勅賜された3年後の826年 天長3年に着工の運びとなりました。


五重塔の造営は難航し、竣工は空海の入定から半世紀あまり後の887年 元慶7年のことでした。


五重塔は火災に遇って焼失したことはあっても、大地震による倒壊は記録がなく、1596年文禄5年、京都直下で起きた大地震でも倒壊を免れました。


これは塔を形成する軸部分、組み部分、そして軒の部分と、各層に部材を組み上げて最上部まで積み上げる構造となっており、頑丈とは言い難い柔構造が強大な地震エネルギーを吸収してしまう性質を持つためです。


塔内部は心柱を大日如来に見立てていて、周囲を須弥壇(しゅみだん)上に阿弥陀如来、阿閼(あしゅく)如来、宝生如来、不空成就如来の金剛界四仏と八代菩薩を安置しています。


五重塔は火災により合計4度、焼失していますが、その度に再建され、現在の塔は江戸時代初期の1644年 正保元年に徳川三代将軍 徳川家光の発願により再建されたものです。





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