私が「アポロのタロット占い」というサイトを立ち上げてから、もうすぐ10年経とうとしています。
そのサイト創設の初期のころからあるコンテンツのひとつとして、「タロット占い講座」というのがあります。タロット占いというものを、できるだけ多くの人に理解してもらいたいという思いで、いろいろと書いてきました。ただ、タロット占いを学ぼうとする人にとって一番興味があるのは、タロットカード 1 枚 1 枚の詳しい解説だったりするのかもしれませんが、この講座では、あえてそのような解説のページは書いてきませんでした。
私自身、長い間占い師という仕事をしてはいるものの、占い研究家ではないので、実を言うと、専門的な知識はほとんどありません。もちろん、一般に市販されているタロットの解説書はいくつか読んで、それなりの知識はありますが、その程度のものであれば、わざわざ私が自分のサイトで中途半端な解説をする意味はほとんどないでしょう。市販の解説書を読でいただくなり、専門的な解説をしている他のサイトなどを検索していただいた方がよいかと思います。
何より、私が気にかかっていたのは、タロットを学び始めた初心者ほどカードの意味を知りたがるということです。それは、現代の教育というものが、そういう知識を詰め込むことばかりを重視してきたせいで、学びというものはそういうものだと多くの人が思い込んでいるからだと思います。より多くの知識や情報を身につければ学んだことになるというのは、どこかおかしいと思います。
余談ですが、私は地元ではトップクラスの進学校に入学しておきながら、ほとんど勉強をせず、大学にも行きませんでした。それは、その高校での授業が、大学に行くための知識を詰め込むだけの、あまりにも退屈なものだったためで、そういう教育方針に反抗して意地になって勉強を拒んでいたようなものです。当然成績も学年で最低レベルだったと思います。特に英語の成績などは 10 段階評価で 1 か 2 くらいで、英語の教師と授業中に喧嘩をするくらいだったのですが、それでもその 4 年後にアメリカに留学し 2 年間ほど生活してきました。受験のための英語なんて勉強してなくても英語圏で生活できるんだということを身をもって証明してやりました。
タロットの話に戻りますが、私が占い講座でカードの解説を書いてこなかったのは、初心者がそういう知識にとらわれて、カードそのものから学ぶことをおろそかにして欲しくなかったということもあります。初心者ほど、まずはカードそのものに親しみ、そこから感じられるものを素直に受け止め、自分自身の感性を大切にして欲しいと思うのです。それに、78 枚もあるカードのすべての意味を覚えてからでないと占うことができないというようなものではなく、カードを手にした者なら、今すぐにでも誰にでも気軽に占うことができるもの。それが、タロット占いというものなのです。解説書に書いてあるカードの意味など、実は無意味だといってもいいくらいです。
しかし、そんなことを言いながらも、そろそろカード 1 枚 1 枚についての記事を書き始めてもいいかなという気もしてきました。というのも、先ほど Google などでタロットカードの情報を検索したりしていたのですが、意外に、というか当然だとは思いますが、個別のカードについて私自身が書いたページがヒットすることはほとんどありませんでした。そこでふと思ったのです。インターネットで何でも検索できるようになった今の時代、自分なりの考えを書いてブログなどで公開しておくことは、いろんな意味で有意義なのではないかと……。
完全なタロットカードの知識を提供するサイトとして存在しなくても、たとえ断片的にでも情報を公開しておけば、それを必要とする人が勝手に検索して有効活用してくれるでしょう。他の人と情報の共有ができるというだけでも十分有意義ですが、それを自分自身で検索して利用するという点でも、インターネット上に情報があったほうが便利だったりします。最近ではデスクトップ検索なども便利になってきて、自分のパソコン内の情報も有効活用できるようになって来ましたが、それでもインターネット検索の手軽さと情報量にはかないません。インターネットを中心に活動してきた私が今さら言うほどのことでもありませんが、これぞまさしく Web 2.0 的な、これからの時代の情報の活用法だと思います。
そんなわけで、これからはこのブログでもタロットカード 1 枚 1 枚をネタにした記事を、もっと積極的に書いていこうかなぁなどと考えていたりするわけです。