安倍さん達の云う事は、実に解り難い。
後は宜しく推察しろという態度だから、勝手に解釈する事にする。内閣の判断による幹部の定年延長が可能となる検察庁法改正案の事である。安倍さんは、「黒川さんの定年延長とは無関係だし、その成立で、政権による恣意的人事が行なわれるようになる事等在り得ない」と言う。其の一点張りである。ある意味では確かにその通りで、恣意的人事はその成立如何に関わらず、既に行なわれている。黒川さんの定年を半年延ばした閣議決定は、1月末に行なわれてしまって居るのであるから。例外的に国家公務員法の定年規定を適用したらしいが、根拠が解らない。法的根拠は国家公務員法にあると云いたいのであろうが、其の法を此処に持ち出した根拠が解らないのである。ゴーン案件への対応の為に必要だというが、従来黒川さんは関わって居ないらしい。その黒川さんが今急に、必要になる理由が見つからないのである。説明してくれようともしない。
今日与党は、上述の改正を含む国家公務員法改正の、今国会での成立を、諦める事にしたそうである。別に痛痒は感じまい。其の事で一月の特例的閣議決定の覆る事は無く、安倍さん達は当面の目的を既に達成したのであり、他の事は急ぐ必要も無かろうから。
このような庶民的解釈を、誤解曲解だと非難するなら、誤解も曲解もする余地の無い、緻密で懇ろな言い方をすれば良いのである。有能なる政治家は須く有能なる弁士たるべし。