鬼灯の味忘れたる余生かな
季語 鬼灯 ナス科ホウズキ属の多年草。古くは「源氏物語」「栄華物語」にも登場する。六月ごろ、淡黄色の目立たない花をつけた後、果実を包んだ蕚が発達し、はじめは緑色だが初秋には美しい赤色になる。庭先などに栽培され、鉢植えにされることも多い。七月九日、十日にされる東京浅草寺のほうづき市が名高く、盂蘭盆会の飾りに用いるなど市井の生活になじみ深い。赤く熟した種子を抜き、女の子が口に入れて鳴らして遊ぶ。どこか懐旧の念を誘う季物である。
歳時記抜粋。
例句 鬼灯やわけへだてなく叱られし 坂本佳奈美