私の友人にAさんという人がいるのですが、そのAさんの友人に「うつ病」のKさんという人がいるのです。
私もよく知っている人です。
Aさんはうつ病の事がよく分からない人なのでしょう。
生活保護を受けているKさんに対して、次のようなメールを送ったと言うのです。
>キツイコトを言うようですが、
>全力をあげて生活保護から抜け出しましょう。
>夫婦二人で働けばなんとかなります。
>病は気から起こります。
>生活保護を受けていると社会や人の信用を失います。
私はこれを知って驚き、急いでAさんに次のようなメールを送りました。
・
>キツイコトを言うようですが、
>全力をあげて生活保護から抜け出しましょう。
Kさんも抜け出したいのは山々だと思います。
それが出来ないから悩んでいるのではないでしょうか!
>夫婦二人で働けばなんとかなります。
Kさんはうつ病で、奥さんの方はうつ状態と被害妄想なのですよ。
奥さんも結婚してから10年間(うつ状態の方は良くなって来ているようですが)被害妄想の症状は全く変わらないそうです。
治療は二人とも続けているのですよ。
それに二人とも、働ける状態の時にはアルバイトなどをしているのです。
また、Kさんの方は発病してから6年間、生活保護を受けて少しづつ良くなって来ているようですが、それでも安心は出来ないのです。
これは後で説明します。
>病は気から起こります。
そう言いたい気持ちはよく分かりますが、
Aさんは多分「神経症やノイローゼ」と「うつ病」を混同しているのではないでしょうか?
また「うつ病」と「うつ状態」も同じではありません。
多分「うつ状態」の人ならば、薬などで1年で治る人もいると思います。
これは混同すると非常に危険な事ですから言って置きますが・・・
うつ病の人に対しては、絶対に「キツイ批判」はしない方が良いですよ。
何故ならば、自殺をする人がいるからです。
神経症の人に対しても「頑張れ」とか「元気を出せ」とかの「励まし」は、苦しみを与えるだけですから言わない方が良いです。
>生活保護を受けていると社会や人の信用を失います。
そんな事は誰でも知っている筈です。
Kさんは以前、親友と思っていた友人夫婦から「税金泥棒」というような事を言われて非常にショックを受けたと言っていました。
私の考えとしては・・・
Kさんは生活保護を受ける以前は数十年間働いて税金を払って生きて来た訳ですし、その税金の一部は福祉にも回って病気の人たちを助けていたと思います。
ですから現在Kさんが他人の税金で助けられていても、それほど他人に対して「悪い事」をしているとは思えません。
それを「税金泥棒」だなんて・・・
生活保護から抜け出せば、また働き出して税金を納めて人を助ける事になる訳ですからね。
それから生活保護を受けるという事は、そんなに楽な事ではないようです。
福祉センターの人からは「早く働け、働け」とプレッシャーをかけられるそうです。
それに医者というのは、自分の担当の患者が早く治る様子を見れば嬉しいでしょうけど、治りの遅い患者を見るのが嫌なのでしょう。
特に若い医者の場合には、患者に対して露骨に腹を立てる人もいましたよ。
これは神経科の事ではありませんけどね。
病気が長引いたり、また病状が少しでも良くなって来ると、却って周りからのプレッシャーは強くなってくる訳です。
ですからそれ以上プレッシャーをかけるような事は言わない方が良いと思います。
大事な事ですが・・・
神経症やノイローゼは精神病ではありませんが、うつ病は精神病です。
つまり先天的なものですから、これを混同しないように。
Aさんもご存知でしょう?
身体の病気でも、一旦発病したら「死ぬまで治らない病気がある」という事を・・・
ごく一般的な糖尿病もそうなのですよ。
医者から「糖尿病です」と言われたら、一生この病気と仲良く?お付き合いをしなければならないのです。
死に到るような癌の場合には、治療で治る事も多くなりましたけど・・・
私の場合は10年ほど前にあるきっかけで頭皮を痛めてから湿疹が出るようになったのですが、それから直ぐに病院に行って未だに薬で治療を続けていますけど全く治りません。
数年前に床屋の主人に言われて初めて知って驚いたのですが、頭皮全体が赤くなっていて、かさぶたも出来ているらしいのです。
この事を同じ症状の知人に話したら、
「これは体質だからね」、「そう簡単には治らないですよ」とあっさり言われてしまいました。
医者が言うには、その薬も使い過ぎると症状が余計酷くなるそうです。
このように身体の病気でも完治する事が難しい事があるのですよ。
「病は気から」と言われますが・・・
それから、Aさんは「うつ病の自殺」に関して「2つのピーク」がある事をご存知ですか?
1つ目は、医者にかかり始めの頃。
2つ目は、入院している重症患者が治って退院した直後です。
これを知らない人が結構多いのですよ。
私の知人から聞いた話ですが・・・
その知人と家族的な付き合いをしていたご近所の奥さんがうつ病だったそうです。
でも、その奥さんが最近少しづつ元気になってきたので、「良かったな」と思っていた矢先に、その息子さんが何かキツイ批判を言ったらしいのです。
息子さんにしてみれば普通の親子喧嘩なのですが・・・
その奥さんはその直後に自殺してしまったのです。
残された息子さんはどんな気持ちでしょう?
自分の言った一言で母親が死んでしまったのですよ。
こういう事実があるという事だけは絶対に知っておいて下さい。
病状が良くなって来た頃に何故死ぬのか・・・?
私も初めの内は全く分からず不思議に思っていましたけれども、先ほども言ったように、病状が良くなるに従って周りからのプレッシャーも強くなりますし、自分を責める気持ちや社会生活に対する不安も強くなって来るようです。
ただ、Kさんという人は「批判には慣れているから、死ぬような事はないよ」などと冗談を言うような人ですから、大丈夫だとは思いますけどね。
・
以上がAさんに送った私のメールです。
私は思うのですが・・・
世の中にはうつ病の事を知っていると「思い込んでいる」人たちが多いような気がします。
それは本屋さんにも沢山のうつ病に関する本が増えてきましたし、TVやマスコミなどでも取り上げる事が多いからです。
が・・・しかし!
実際はそういう人たちがうつ病の人に対して接する時の印象はこうです。
笑顔で楽しそうに話しているようでも、心の中ではうつ病の人に対してこう思っているようです。
「この人は怠け者だ」
「この人は弱い人間だ」
「でも、もしそれを正直に言って不愉快な思いをさせてもいけないし、自殺でもされたら困る」
「だから差し障りのない程度に付き合っておこう」
こんな感じです。
一見親しそうに付き合っているように見える人でも、話をしている内にうっかり本音が「ポロッ」と出るので、バレてしまうのです。
私はそういう状況を何度も見ていますから分かっているのです。
残念な事ですが事実です。
私もうつ病に関する本を読んだ事がありますが、「薬の副作用」についてはほとんど書かれていませんでした。
「最近は副作用の少ない薬も出来ていますから安心です」などと書いてありました。
一旦薬の副作用にハマってしまうと、そこから抜け出す事が非常に難しい事もあるのです。
病気自体の苦しみと薬の副作用の「二重の苦しみ」を経験する人もいるのです。
こうなりますと、そこから短期間に抜け出す事はなかなか難しい訳です。
特に重症の患者さんの場合は、強い薬を飲みますし量も多い訳ですから、副作用も大きい訳で、これは「意志の弱さで抜け出せない」という事とは別のものなのです。
またどんな病気であっても、(病気自体の苦しみもそうですが)薬の副作用による苦しみや悩みなどは、自分が経験しないと全く分からないところがあると思います。
この部分は医者にさえ伝わらないのです。
そんな訳で・・・
「どんな病気であっても、自分(もしくは家族のように親しい人)が経験をしなければ、分からない事が多いものなのだ」
という事を理解する事が大切だと思います。
つまり「知らない・・・という事を知る」
という事です。
そして、そういう考えの人たちが増えてくれる事を願う今日この頃です。
私もよく知っている人です。
Aさんはうつ病の事がよく分からない人なのでしょう。
生活保護を受けているKさんに対して、次のようなメールを送ったと言うのです。
>キツイコトを言うようですが、
>全力をあげて生活保護から抜け出しましょう。
>夫婦二人で働けばなんとかなります。
>病は気から起こります。
>生活保護を受けていると社会や人の信用を失います。
私はこれを知って驚き、急いでAさんに次のようなメールを送りました。
・
>キツイコトを言うようですが、
>全力をあげて生活保護から抜け出しましょう。
Kさんも抜け出したいのは山々だと思います。
それが出来ないから悩んでいるのではないでしょうか!
>夫婦二人で働けばなんとかなります。
Kさんはうつ病で、奥さんの方はうつ状態と被害妄想なのですよ。
奥さんも結婚してから10年間(うつ状態の方は良くなって来ているようですが)被害妄想の症状は全く変わらないそうです。
治療は二人とも続けているのですよ。
それに二人とも、働ける状態の時にはアルバイトなどをしているのです。
また、Kさんの方は発病してから6年間、生活保護を受けて少しづつ良くなって来ているようですが、それでも安心は出来ないのです。
これは後で説明します。
>病は気から起こります。
そう言いたい気持ちはよく分かりますが、
Aさんは多分「神経症やノイローゼ」と「うつ病」を混同しているのではないでしょうか?
また「うつ病」と「うつ状態」も同じではありません。
多分「うつ状態」の人ならば、薬などで1年で治る人もいると思います。
これは混同すると非常に危険な事ですから言って置きますが・・・
うつ病の人に対しては、絶対に「キツイ批判」はしない方が良いですよ。
何故ならば、自殺をする人がいるからです。
神経症の人に対しても「頑張れ」とか「元気を出せ」とかの「励まし」は、苦しみを与えるだけですから言わない方が良いです。
>生活保護を受けていると社会や人の信用を失います。
そんな事は誰でも知っている筈です。
Kさんは以前、親友と思っていた友人夫婦から「税金泥棒」というような事を言われて非常にショックを受けたと言っていました。
私の考えとしては・・・
Kさんは生活保護を受ける以前は数十年間働いて税金を払って生きて来た訳ですし、その税金の一部は福祉にも回って病気の人たちを助けていたと思います。
ですから現在Kさんが他人の税金で助けられていても、それほど他人に対して「悪い事」をしているとは思えません。
それを「税金泥棒」だなんて・・・
生活保護から抜け出せば、また働き出して税金を納めて人を助ける事になる訳ですからね。
それから生活保護を受けるという事は、そんなに楽な事ではないようです。
福祉センターの人からは「早く働け、働け」とプレッシャーをかけられるそうです。
それに医者というのは、自分の担当の患者が早く治る様子を見れば嬉しいでしょうけど、治りの遅い患者を見るのが嫌なのでしょう。
特に若い医者の場合には、患者に対して露骨に腹を立てる人もいましたよ。
これは神経科の事ではありませんけどね。
病気が長引いたり、また病状が少しでも良くなって来ると、却って周りからのプレッシャーは強くなってくる訳です。
ですからそれ以上プレッシャーをかけるような事は言わない方が良いと思います。
大事な事ですが・・・
神経症やノイローゼは精神病ではありませんが、うつ病は精神病です。
つまり先天的なものですから、これを混同しないように。
Aさんもご存知でしょう?
身体の病気でも、一旦発病したら「死ぬまで治らない病気がある」という事を・・・
ごく一般的な糖尿病もそうなのですよ。
医者から「糖尿病です」と言われたら、一生この病気と仲良く?お付き合いをしなければならないのです。
死に到るような癌の場合には、治療で治る事も多くなりましたけど・・・
私の場合は10年ほど前にあるきっかけで頭皮を痛めてから湿疹が出るようになったのですが、それから直ぐに病院に行って未だに薬で治療を続けていますけど全く治りません。
数年前に床屋の主人に言われて初めて知って驚いたのですが、頭皮全体が赤くなっていて、かさぶたも出来ているらしいのです。
この事を同じ症状の知人に話したら、
「これは体質だからね」、「そう簡単には治らないですよ」とあっさり言われてしまいました。
医者が言うには、その薬も使い過ぎると症状が余計酷くなるそうです。
このように身体の病気でも完治する事が難しい事があるのですよ。
「病は気から」と言われますが・・・
それから、Aさんは「うつ病の自殺」に関して「2つのピーク」がある事をご存知ですか?
1つ目は、医者にかかり始めの頃。
2つ目は、入院している重症患者が治って退院した直後です。
これを知らない人が結構多いのですよ。
私の知人から聞いた話ですが・・・
その知人と家族的な付き合いをしていたご近所の奥さんがうつ病だったそうです。
でも、その奥さんが最近少しづつ元気になってきたので、「良かったな」と思っていた矢先に、その息子さんが何かキツイ批判を言ったらしいのです。
息子さんにしてみれば普通の親子喧嘩なのですが・・・
その奥さんはその直後に自殺してしまったのです。
残された息子さんはどんな気持ちでしょう?
自分の言った一言で母親が死んでしまったのですよ。
こういう事実があるという事だけは絶対に知っておいて下さい。
病状が良くなって来た頃に何故死ぬのか・・・?
私も初めの内は全く分からず不思議に思っていましたけれども、先ほども言ったように、病状が良くなるに従って周りからのプレッシャーも強くなりますし、自分を責める気持ちや社会生活に対する不安も強くなって来るようです。
ただ、Kさんという人は「批判には慣れているから、死ぬような事はないよ」などと冗談を言うような人ですから、大丈夫だとは思いますけどね。
・
以上がAさんに送った私のメールです。
私は思うのですが・・・
世の中にはうつ病の事を知っていると「思い込んでいる」人たちが多いような気がします。
それは本屋さんにも沢山のうつ病に関する本が増えてきましたし、TVやマスコミなどでも取り上げる事が多いからです。
が・・・しかし!
実際はそういう人たちがうつ病の人に対して接する時の印象はこうです。
笑顔で楽しそうに話しているようでも、心の中ではうつ病の人に対してこう思っているようです。
「この人は怠け者だ」
「この人は弱い人間だ」
「でも、もしそれを正直に言って不愉快な思いをさせてもいけないし、自殺でもされたら困る」
「だから差し障りのない程度に付き合っておこう」
こんな感じです。
一見親しそうに付き合っているように見える人でも、話をしている内にうっかり本音が「ポロッ」と出るので、バレてしまうのです。
私はそういう状況を何度も見ていますから分かっているのです。
残念な事ですが事実です。
私もうつ病に関する本を読んだ事がありますが、「薬の副作用」についてはほとんど書かれていませんでした。
「最近は副作用の少ない薬も出来ていますから安心です」などと書いてありました。
一旦薬の副作用にハマってしまうと、そこから抜け出す事が非常に難しい事もあるのです。
病気自体の苦しみと薬の副作用の「二重の苦しみ」を経験する人もいるのです。
こうなりますと、そこから短期間に抜け出す事はなかなか難しい訳です。
特に重症の患者さんの場合は、強い薬を飲みますし量も多い訳ですから、副作用も大きい訳で、これは「意志の弱さで抜け出せない」という事とは別のものなのです。
またどんな病気であっても、(病気自体の苦しみもそうですが)薬の副作用による苦しみや悩みなどは、自分が経験しないと全く分からないところがあると思います。
この部分は医者にさえ伝わらないのです。
そんな訳で・・・
「どんな病気であっても、自分(もしくは家族のように親しい人)が経験をしなければ、分からない事が多いものなのだ」
という事を理解する事が大切だと思います。
つまり「知らない・・・という事を知る」
という事です。
そして、そういう考えの人たちが増えてくれる事を願う今日この頃です。
そういったなかで、もっとうつのことをわかってくれる人が増えるとうれしいです。
わからない人には口でどんなに説明してもわかってもらえないですけど。
コメントありがとうございます。
中学生の時からですか?
大変でしたね。
誰からも理解されずに、ご苦労が多かった事と思います。
家族でもなかなか理解出来ない事が多いですよね。
今そちらのサイトに伺いましたが、女性でプログラマーのお仕事をされているのですね。
すごいな~!
またお時間の空いた時には遊びに来て下さい。
よく言われる「なんかうつだなぁ」みたいな状態とは違って、本当のうつ病はお医者様が必要な病気ですよね。うつと言われているものは誰でも落ち込んだらそれなりになる気はしますが、うつ病はすごく難しいです。
コメントをどうもありがとう。
私自身も色々な病気の人の気持ちは分かりませんから、まず「自分には経験がないから理解出来ないのだ」と自覚する事が大切だと思っています。
家族であっても理解出来ない事が多いですからね。
あとは「こういう病気の人は、どんな気持ちでいるのだろうか?」という想像力が必要だと思います。
ではでは・・・