arata-tokyo-jp's blog(Henry Nagata)

オリジナル曲・自作動画・エッセイ・ネットで実験など

お腹を空かした時のご飯とたくあんの味とは・・・

2021年01月08日 17時25分19秒 | エッセイ
若い頃、読んだ本に「お腹をペコペコに空かした時の、ご飯とたくあんの味は非常に美味しいものだ」という事が書かれていました。
その時は「ふ~ん、そういうものなのかな~」とか「随分と貧乏くさい話だな~」とか思ったものです。
でも今から15年ほど前に、それと似たような経験をした事があります。

或る日、原因不明の下血があって、腸内からの出血なのか内臓からの出血なのかを内視鏡で調べることになったのですが、その時に一週間ほど確か栄養剤と生理食塩水と鉄分の三種類の点滴だけでベッドで過ごしました。

ところが、一週間何も食べていないのにも関わらず、不思議な事にお腹が全く空かないのです。
まあ、当たり前と言っては当たり前の話なのですが、その時は非常に不思議に思ったものです。

点滴だけの一週間を過ぎると、今度は「飴を2~3粒ならば舐めても良い」と言われ、私はキャラメルでも良いのかを尋ねました。
キャラメルも2~3粒ならば良いという事でしたので、一粒舐めたり噛んだりすると、これがバカに美味い!
キャラメルってこんなに美味いものだったのか~!と非常に驚きました。
一日2~3粒の筈だったのですが、あまりに美味しいので結局その日は一箱食べてしまいました。
子供の頃に食べたことのあるキャラメルでしたが、子供の頃にこんなに美味いと感じて食べていたのだろうかと?と思いました。

飲み物については麦茶程度だったら飲んでも良いと言われましたので、普段は見向きもしない自動販売機の麦茶を飲んでみました。
すると、これも予想以上の美味さ!
麦茶ってこんなに美味いものだったのか~!と、これまた驚きました。

一週間点滴だけで過ごしてもお腹は満たされているのですが、味覚や臭覚、噛む事や飲み込む事などが無い事は、多分相当なストレスを感じていたのではないかと思います。
この時に若い頃に読んだ「お腹を空かした時のご飯とたくあんの味」の話を思い出したのです。

以前、中央大学の武田教授が言っていましたが、食欲はエスカレートするばかりで贅沢になる一方だから、たまには「リセット」する必要があると。
それで、たまに教授は生徒たちと一緒に学生食堂で一番安い食事をすると言うのです。
その後で食べるものは安い弁当でも、非常に美味しく感じるそうです。
これも「お腹を空かした時のご飯とたくあんの味」に通じるものだと思います。

今回は食欲・味覚の「リセットの勧め」という話になってしまいました。
御退屈様。 m(__)m

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 日記や「エッセイ(もどき)... | トップ | 「あわのうた」Vocaloid 3 GA... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

エッセイ」カテゴリの最新記事