今日は東京上野の美大生、前田直樹の事を書きたくなりました。
彼は19歳。
前衛画家の黒岩克彦の芸術論を読んで感動し、本格的に絵を描く為に一年前に青森から上京したのです。
黒岩克彦の芸術論を読むと・・・
1.自分の感性に正直に描かなければならない。
2.他人に好まれる絵を描いてはならない。
3.売れる絵を描いてはならない。
4.凄みのある絵を描かなければならない。
5.常に美しい絵を描き、綺麗ごとの絵を描いてはならない。
6.他人の絵の真似も、自分の絵の真似さえもしてはならない。
・・・などと書かれています。
直樹はこれらの言葉に感動し、自分もそのような絵を実際に描けるような「前衛画家」になりたいと思ったのでした。
でも彼は暗い影のある青年でした。
高校時代に一度、カミソリで手首を切って自殺を謀った事があり、医者からは「うつ病」と診断されていました。
何の前触れもなく、急に死にたくなるような暗い気分に襲われる事があるのです。 . . . 本文を読む
世間ではどうか分かりませんが、私が「会話」と言う時には、ただ単に「人と人とが話をした」というだけでは「会話」とは考えていません。
私が「会話」と言う時には、新しい思い付きや自己発見などにより、或る意味「予想外の方向」へと行ってしまう場合の事です。
例えば今日人と話をする為に、昨日から考えていた事を予定通り全部話す事が出来てスッキリしました・・・と言うのでは、これは一方向的な「演説」と同じ事であっ . . . 本文を読む
前回は「無知な愛情と残酷性」について考えてみましたが、今回は「食生活と残酷性」のお話から始めたいと思います。
大分前の事ですので、はっきりとは覚えていないのですが、確かアメリカの有名な女性シンガーが「日本人はクジラを食べるから、日本では公演をしない」と言っているのを聞いた事があります。
人から聞いた話では、アメリカでもクジラは獲っていたようなのですが、それは食用ではなく油を取る為だったと言う事で . . . 本文を読む
以前私が住んでいた街を、何かの用事があって歩いていた時の事です。
私は懐かしい街並みを眺めながら、のんびりと歩いていたのですが・・・
商店街から人通りの少ない細い横道に入った時に、向こうからお婆さんが犬を連れて歩いて来るのが目に入りました。
初めは何も気が付きませんでしたが、少しずつ近づいて来る内に「おやっ」と思いました。
犬の歩き方がちょっと変なのです。
足を怪我しているようなのです。
私はそ . . . 本文を読む
今日は私が若手ミュージシャンの中で最も期待している、あおきまさと君がCDを全国発売する事になりましたので、お知らせ致したいと思います。
彼とは数年前に友人を通して知り合ったのですが、ライブなどで彼の音楽的才能に魅かれ、すぐにファンになってしまいCDも何枚も買って聴いていましたが、全国発売は今回が初めての事です。
男性からも女性からも好かれる好青年です。
今回のCDは、彼の音楽の集大成と言えるもの . . . 本文を読む
私は10代の頃から「荘子」の哲学や、中国の仏教である「禅宗」などに興味を持っていました。
枯れた心境とは何か?・・・無の境地とは・・・悟りとは・・・人生とは・・・宇宙とは・・・。
そんな疑問を常に持ちながら、悶々とした日々を送っていました。
そして20代になってからの事ですが、急に思い立って「座禅をしてみよう!」と決意しました。
座禅の本などを読んでいますと、修行中のお坊さんというのは、真冬の寒 . . . 本文を読む
生前の父の話では、皇宮警察では「部長試験」というものがあったらしく、筆記試験と面接によって部長に昇格していたそうなのです。
前回父の思い出話を書いている内に、もう一つ如何にも父らしい出来事を思い出してしまいましたので、今回はそのお話を致しましょう。
父はよくこんな話をしていました。
「要領の良い奴は違うよ!・・・出世していく奴というのは、部長試験の前に何日も休暇を取ってまで勉強をして、試験に合格 . . . 本文を読む
私の父は皇宮警察に定年まで33年間勤めていましたが、今から45年くらい前には面白いことに、皇宮警察では運動会というものがあったのです。
私が幼かった頃の事ですので正確なものではありませんが、今日はこの頃の思い出をお話し致しましょう。
母が言うには「多分この運動会は皇居の中で行われたのではないか?」と言うのです。
なにしろ母の記憶も確かではありませんので、その点はご容赦願います。
その時は、やはり . . . 本文を読む
私のエッセイは、長くて少し重たいお話が多いようですので、たまには短くて軽いお話に致しましょう。
もう20年以上も前の事なのですが・・・
私の友人で女性のピアニストが、事務所などに自分を売り込む時の為の、ブロマイドのような写真が必要になって来たと言うのです。
そこで写真屋さんに行って撮ってもらったところ、かなり酷い顔に写されてしまった、と言って嘆いていたのです。
私も実際にその写真を見せてもらい . . . 本文を読む
「旧GAIAX」が10月で終了という事ですので、日記やBBSなどを移行出来るという「新GAIAX」や「新ECLAT」の方に試しにHPを作りましたが、何かと不便なところも感じますので、最終的には「GOO」の方に引っ越すことに決めました。
そんなこんなで、落ち着いてエッセイも書けずに中断していますが、その内に書き始めますので、それまでは以前のエッセイをお読みになっていて下さい。
今後ともよろしくお願 . . . 本文を読む