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天然の染料で美しく染められた布。
7月14日と15日の2日間、美術コースの1、2年生が東北芸術工科大学の美術科工芸コース准教授、山崎和樹先生をお招きして「草木染め」の実習を行いました。
「草木染め」とは、主に植物から得た染料で繊維を染める技法です。
明治以降、日本の天然染料は合成染料の輸入によって衰退していましたが、大正末に山崎斌(あきら)を中心に復興が始まり、合成染料と区別するため、天然染料だけの染色を「草木染」と命名しました。
今回来て頂いた山崎和樹先生は、山崎斌の孫にあたります。
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生徒達は天然染料の発色に歓声をあげていました。
合成染料と比べると彩度が低く、自然と調和した柔らかな色で心を和ませてくれます。
シックハウスをおこさない壁紙や家具などの天然の塗料としての応用も始まっており、
自然と共存してきた伝統染色技法が、環境に適した染色として再評価されています。
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草木染は主に植物の葉、茎、根、実などを煮だした液に繊維を浸し、染まった色素を金属イオンと結合させて発色させます。
金属イオンとの結合を媒染(ばいせん)と言い、
植物抽出液と媒染を繰り返すことで染色の濃度を上げます。
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今回は1.カリヤス(苅安)2.ヤシャブシ(夜叉附子)3.スオウ(蘇芳)4.セイヨウアカネ(西洋茜)5.クルミ(胡桃)6.コチニールの6種類で実習しました。写真はセイヨウアカネです。
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布を畳んで木の棒で挟み、染まる所と染まらない所で模様のパターンを作ります。
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左はセイヨウアカネを煮出した液。
右はミョウバンを入れた液で媒染しているところ。
色が強くなってきました。
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布を開いて完成。思ったような模様になったでしょうか。
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色彩に敏感な日本人の伝統を忘れないようにしたいですね。